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第十六章 山城と我妻
あいつは今どこにいる?
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(今度、抱き寄せられたら、きっと拒めないかもしれない)
ひとみは気持ちがダメとわかっていても、身体は山城を求めていた。
山城は結城に問いただした。
「あいつは今どこにいるんだ」
「姐さんなら、若頭が意識を取り戻したから、若頭の側に寄り添ってるよ」
「そうか」
「一つ忠告しておく、お前は山城組を破門された」
「破門?どうしてだ」
「山城組長に刃向かったからと聞いている」
「刃向かった?」
「ああ、本浜組お嬢との結婚を拒否したから、お前は半年、監禁された」
山城は黙って結城の話を聞いていた。
「その後、戸部の罠にハマって、我妻組にも監禁された、それを組長を説得して、お前を入院させたのは姐さんだ」
「あいつは俺の女だったと言っていたが……」
「ああ、姐さんは男に騙されて借金を抱えていた、若頭がキャバクラで働いていた姐さんに一目惚れをして、借金を肩代わりすると申し出たのに、姐さんはお前の女になって、借金を肩代わりして貰う方を選んだんだ」
「我妻はなんで入院しているんだ」
「姐さんを庇って撃たれた」
「あいつは命を狙われているのか」
「本浜組お嬢が雇った男にな」
「我妻は俺の女だったあいつと結婚したのか」
「そうだな、それだけ、若頭は姐さんを愛しているんだろう、俺には到底理解出来ないことだがな」
「そうか」
「もう、姐さんはこの病室には来ない、そのつもりで、今後姐さんとは関わらないでくれ」
結城は病室を後にした。
山城はひとみとの抱擁を思い出し、身体が熱くなるのを感じた。
山城の怪我は回復に向かっていた。
精神科に移って、治療を勧められたが、山城は断った。
そして退院の日が近づいてきた。
山城は次の日、退院する前の夜、どうしてもひとみに会いたかった。
何度かひとみを見かけた階に行ってみた。
ひとみが病室から出てくるのを確認した。
山城はひとみに近づいた。
「おい」
「山城さん、大丈夫なんですか」
「ああ、俺は明日退院する」
ひとみは気持ちがダメとわかっていても、身体は山城を求めていた。
山城は結城に問いただした。
「あいつは今どこにいるんだ」
「姐さんなら、若頭が意識を取り戻したから、若頭の側に寄り添ってるよ」
「そうか」
「一つ忠告しておく、お前は山城組を破門された」
「破門?どうしてだ」
「山城組長に刃向かったからと聞いている」
「刃向かった?」
「ああ、本浜組お嬢との結婚を拒否したから、お前は半年、監禁された」
山城は黙って結城の話を聞いていた。
「その後、戸部の罠にハマって、我妻組にも監禁された、それを組長を説得して、お前を入院させたのは姐さんだ」
「あいつは俺の女だったと言っていたが……」
「ああ、姐さんは男に騙されて借金を抱えていた、若頭がキャバクラで働いていた姐さんに一目惚れをして、借金を肩代わりすると申し出たのに、姐さんはお前の女になって、借金を肩代わりして貰う方を選んだんだ」
「我妻はなんで入院しているんだ」
「姐さんを庇って撃たれた」
「あいつは命を狙われているのか」
「本浜組お嬢が雇った男にな」
「我妻は俺の女だったあいつと結婚したのか」
「そうだな、それだけ、若頭は姐さんを愛しているんだろう、俺には到底理解出来ないことだがな」
「そうか」
「もう、姐さんはこの病室には来ない、そのつもりで、今後姐さんとは関わらないでくれ」
結城は病室を後にした。
山城はひとみとの抱擁を思い出し、身体が熱くなるのを感じた。
山城の怪我は回復に向かっていた。
精神科に移って、治療を勧められたが、山城は断った。
そして退院の日が近づいてきた。
山城は次の日、退院する前の夜、どうしてもひとみに会いたかった。
何度かひとみを見かけた階に行ってみた。
ひとみが病室から出てくるのを確認した。
山城はひとみに近づいた。
「おい」
「山城さん、大丈夫なんですか」
「ああ、俺は明日退院する」
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