51 / 104
第十六章 山城と我妻
あいつは今どこにいる?
しおりを挟む
(今度、抱き寄せられたら、きっと拒めないかもしれない)
ひとみは気持ちがダメとわかっていても、身体は山城を求めていた。
山城は結城に問いただした。
「あいつは今どこにいるんだ」
「姐さんなら、若頭が意識を取り戻したから、若頭の側に寄り添ってるよ」
「そうか」
「一つ忠告しておく、お前は山城組を破門された」
「破門?どうしてだ」
「山城組長に刃向かったからと聞いている」
「刃向かった?」
「ああ、本浜組お嬢との結婚を拒否したから、お前は半年、監禁された」
山城は黙って結城の話を聞いていた。
「その後、戸部の罠にハマって、我妻組にも監禁された、それを組長を説得して、お前を入院させたのは姐さんだ」
「あいつは俺の女だったと言っていたが……」
「ああ、姐さんは男に騙されて借金を抱えていた、若頭がキャバクラで働いていた姐さんに一目惚れをして、借金を肩代わりすると申し出たのに、姐さんはお前の女になって、借金を肩代わりして貰う方を選んだんだ」
「我妻はなんで入院しているんだ」
「姐さんを庇って撃たれた」
「あいつは命を狙われているのか」
「本浜組お嬢が雇った男にな」
「我妻は俺の女だったあいつと結婚したのか」
「そうだな、それだけ、若頭は姐さんを愛しているんだろう、俺には到底理解出来ないことだがな」
「そうか」
「もう、姐さんはこの病室には来ない、そのつもりで、今後姐さんとは関わらないでくれ」
結城は病室を後にした。
山城はひとみとの抱擁を思い出し、身体が熱くなるのを感じた。
山城の怪我は回復に向かっていた。
精神科に移って、治療を勧められたが、山城は断った。
そして退院の日が近づいてきた。
山城は次の日、退院する前の夜、どうしてもひとみに会いたかった。
何度かひとみを見かけた階に行ってみた。
ひとみが病室から出てくるのを確認した。
山城はひとみに近づいた。
「おい」
「山城さん、大丈夫なんですか」
「ああ、俺は明日退院する」
ひとみは気持ちがダメとわかっていても、身体は山城を求めていた。
山城は結城に問いただした。
「あいつは今どこにいるんだ」
「姐さんなら、若頭が意識を取り戻したから、若頭の側に寄り添ってるよ」
「そうか」
「一つ忠告しておく、お前は山城組を破門された」
「破門?どうしてだ」
「山城組長に刃向かったからと聞いている」
「刃向かった?」
「ああ、本浜組お嬢との結婚を拒否したから、お前は半年、監禁された」
山城は黙って結城の話を聞いていた。
「その後、戸部の罠にハマって、我妻組にも監禁された、それを組長を説得して、お前を入院させたのは姐さんだ」
「あいつは俺の女だったと言っていたが……」
「ああ、姐さんは男に騙されて借金を抱えていた、若頭がキャバクラで働いていた姐さんに一目惚れをして、借金を肩代わりすると申し出たのに、姐さんはお前の女になって、借金を肩代わりして貰う方を選んだんだ」
「我妻はなんで入院しているんだ」
「姐さんを庇って撃たれた」
「あいつは命を狙われているのか」
「本浜組お嬢が雇った男にな」
「我妻は俺の女だったあいつと結婚したのか」
「そうだな、それだけ、若頭は姐さんを愛しているんだろう、俺には到底理解出来ないことだがな」
「そうか」
「もう、姐さんはこの病室には来ない、そのつもりで、今後姐さんとは関わらないでくれ」
結城は病室を後にした。
山城はひとみとの抱擁を思い出し、身体が熱くなるのを感じた。
山城の怪我は回復に向かっていた。
精神科に移って、治療を勧められたが、山城は断った。
そして退院の日が近づいてきた。
山城は次の日、退院する前の夜、どうしてもひとみに会いたかった。
何度かひとみを見かけた階に行ってみた。
ひとみが病室から出てくるのを確認した。
山城はひとみに近づいた。
「おい」
「山城さん、大丈夫なんですか」
「ああ、俺は明日退院する」
0
お気に入りに追加
101
あなたにおすすめの小説
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
伊吹美香
恋愛
ウエディングプランナーとして働く菱崎由華
結婚式当日に花嫁に逃げられた建築会社CEOの月城蒼空
幼馴染の二人が偶然再会し、花嫁に逃げられた蒼空のメンツのために、カモフラージュ婚をしてしまう二人。
割り切った結婚かと思いきや、小さいころからずっと由華のことを想っていた蒼空が、このチャンスを逃すはずがない。
思いっきり溺愛する蒼空に、由華は翻弄されまくりでパニック。
二人の結婚生活は一体どうなる?

最初のものがたり
ナッツん
恋愛
念願叶って憧れの高校に入学したのに、隣の席の男子が中2病で陰気野郎!
いつも不機嫌で話も通じない。
しかも、私がストーカーしてるみたいな勘違いまでする。
信じられない!
だけど、彼には彼なりの理由がある様子!
でも、それでもウザイ!
私には中学生の頃から大好きな天然で弟キャラのツバサくんがいる。
今は片思いだけど、いつかきっとツバサくんを幸せにしたい。
ウザイ奴に振り回されたくないのに!
高校1年生の木下七海
初めての恋と隣の席の陰気野郎に振り回される学園恋愛ものがたり

王族に婚約破棄させたらそりゃそうなるよね? ……って話
ノ木瀬 優
恋愛
ぽっと出のヒロインが王族に婚約破棄させたらこうなるんじゃないかなって話を書いてみました。
完全に勢いで書いた話ですので、お気軽に読んで頂けたらなと思います。
政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
如月 そら
恋愛
父のお葬式の日、雪の降る中、園村浅緋と母の元へ片倉慎也が訪ねてきた。
父からの遺言書を持って。
そこに書かれてあったのは、
『会社は片倉に託すこと』
そして、『浅緋も片倉に託す』ということだった。
政略結婚、そう思っていたけれど……。
浅緋は片倉の優しさに惹かれていく。
けれど、片倉は……?
宝島社様の『この文庫がすごい!』大賞にて優秀作品に選出して頂きました(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)
※表紙イラストはGiovanni様に許可を頂き、使用させて頂いているものです。
素敵なイラストをありがとうございます。

白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる