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第八章 我妻が動き出す

くるみ、俺はお前を守る為なら命も惜しくない

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我妻組は山城組チンピラを締め上げ、若頭が監禁されてる事実を突き止めた。

さすがに場所までは特定出来なかった。

困難を極めたのはひとみの行方だった。

ホテルに滞在は偽名で泊まれる。

それと、キャバクラも調べたが、わからなかった。

榊ひとみで働いている形跡は出てこない。

そんな時、本浜組もひとみの行方を追っている事実がわかった。

(どうして、本浜組がひとみの行方を探しているんだ)

「若頭、山城組と本浜組が合併するとの情報を掴みました」

情報を持って来たのは結城だった。

「それに伴い、山城裕太郎と本浜圭子が結婚するそうです」

「そう言うことか」

我妻はこの不可解な謎が解けた。

本浜圭子は異常なくらいの嫉妬深い女と噂があった。

極道が妻以外に女を囲っているなど、珍しい話ではない。

しかし、山城の女であるひとみは邪魔な存在なんだろう。

「でも、なんで山城は監禁されているんだ」

「情報によると、山城は本浜圭子との結婚を拒否しているらしいです」

「あいつ、まさか、ひとみに本気になったのか」

「十中八九、間違いありません」

我妻はひとみに危険が迫っていると確信した。

我妻組は総力を上げて、ひとみを探した。

その頃、山城の監禁されている場所に、圭子がやって来た。

「裕太郎さん、いい加減私との結婚にサインしてください」

「断る」

「山城組組長は、あなたが首を縦に振らなければ、山城組追放も視野に入れているって仰ってましたわ」

圭子はとっておきの情報を、山城の耳に入れれば、絶対に考え直すと思っていた。

「それに、くるみさんが愛しているのは、我妻組若頭我妻力也よ」

山城の表情が変わった。

「あら、ご存知だったの?他の男を愛している女を、よくも抱けるわね、
あなたにはプライドと言うものがないのかしら」

山城は手に握り拳を作り、強く握った。

(今、俺がこの女に逆らえば、くるみはどうなるんだ、そうだ、くるみは我妻を愛している、俺がサインすれば、くるみを忘れれば、くるみの危険は回避されるんだ)

「わかった、サインする、圭子と結婚するよ、そして、二人で組を大きくしよう」

「本当なの」

「ここに監禁されて、目が覚めたよ、なんて俺はバカだったか、わかった」

圭子は満面の笑みを浮かべた。
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