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第六章 山城の純愛
くるみの荷物がゴミ箱に捨てられた
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(あっ、ドレスやアクセサリー、おきっぱなしだった)
くるみはまた、山城のマンションへ引き返した。
すると、ゴミ袋に詰めたくるみの私物がゴミ置き場に捨ててあった。
(良かった)
くるみはその袋を抱えて、また、駅に向かおうとした。
「あのう、それはあなたの荷物ですか」
くるみに声をかけてきたのは、本浜組若頭瑛二だった。
「そうです」
「それじゃあ、キャバ嬢くるみさんですか」
「はい」
瑛二は深々とお辞儀をした。
「申し訳ありません、ゴミ袋に入れて、捨てるなど、失礼かと思ったんですが、
お嬢には逆らえなくて」
「大丈夫です、では、失礼します」
「あのう、自分が運びます」
瑛二はくるみが抱えていた大きなゴミ袋を自分が持ち、車にエスコートしてくれた。
「こんな袋持って、電車に乗れませんよね」
くるみはありがたく、車に乗せてもらうことにした。
車中で瑛二が話しかけてきた。
「山城裕太郎さんから、結婚の話は聞いていましたか」
「いいえ、ちょっと喧嘩して、私、ホテルに泊まっていたので」
「喧嘩?」
「でも、大丈夫です、いつかはこんな日が来るって思ってたので……」
「山城さんと一緒に住んでいたのですね」
「はい」
「彼は女とは一緒に住まないと聞いていましたから、何か理由でもあるのでしょうか」
「別に特には、ただ一緒に住もうって言われただけです」
「それでは住むところ、困るんじゃないですか」
「しばらくホテルに滞在します」
そしてくるみの泊まっていたホテルに到着した。
「ありがとうございました」
くるみは深々とお辞儀をして、ホテルに入って行った。
瑛二は不思議だった。
キャバ嬢らしくないくるみの言動に……
(まさか、山城組若頭はあのキャバ嬢に本気だったのか)
瑛二はくるみについて調べ始めた。
すごく興味が湧いたのだ。
くるみはまた、山城のマンションへ引き返した。
すると、ゴミ袋に詰めたくるみの私物がゴミ置き場に捨ててあった。
(良かった)
くるみはその袋を抱えて、また、駅に向かおうとした。
「あのう、それはあなたの荷物ですか」
くるみに声をかけてきたのは、本浜組若頭瑛二だった。
「そうです」
「それじゃあ、キャバ嬢くるみさんですか」
「はい」
瑛二は深々とお辞儀をした。
「申し訳ありません、ゴミ袋に入れて、捨てるなど、失礼かと思ったんですが、
お嬢には逆らえなくて」
「大丈夫です、では、失礼します」
「あのう、自分が運びます」
瑛二はくるみが抱えていた大きなゴミ袋を自分が持ち、車にエスコートしてくれた。
「こんな袋持って、電車に乗れませんよね」
くるみはありがたく、車に乗せてもらうことにした。
車中で瑛二が話しかけてきた。
「山城裕太郎さんから、結婚の話は聞いていましたか」
「いいえ、ちょっと喧嘩して、私、ホテルに泊まっていたので」
「喧嘩?」
「でも、大丈夫です、いつかはこんな日が来るって思ってたので……」
「山城さんと一緒に住んでいたのですね」
「はい」
「彼は女とは一緒に住まないと聞いていましたから、何か理由でもあるのでしょうか」
「別に特には、ただ一緒に住もうって言われただけです」
「それでは住むところ、困るんじゃないですか」
「しばらくホテルに滞在します」
そしてくるみの泊まっていたホテルに到着した。
「ありがとうございました」
くるみは深々とお辞儀をして、ホテルに入って行った。
瑛二は不思議だった。
キャバ嬢らしくないくるみの言動に……
(まさか、山城組若頭はあのキャバ嬢に本気だったのか)
瑛二はくるみについて調べ始めた。
すごく興味が湧いたのだ。
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