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第五章 ひとみを連れ戻す
今までにない山城の言動
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山城は今までの自分では、信じられない行動を起こしていた。
くるみの泊まっているホテルに向かっていた。
部屋をノックすると、くるみの返事が返ってきた。
「はい」
「俺だ、山城だ、くるみ、開けてくれないか、話したい」
山城はドアに向かって叫んだ。
くるみの返事はない。
「くるみ、お前をこの手に抱きしめたい、お前が我妻を手当するために、部屋に二人きりになったときの俺の気持ちがわかるか」
「いや、そうじゃなくて、えっと……」
山城はしどろもどろになっていた。
ドアがチェーンがかかったまま、少し開いた。
「くるみ」
「山城さん、ごめんなさい、今日は一人でいたいんです」
くるみはそう言って、ドアが閉まった。
(くるみ、くるみ)
山城はドアにもたれかかり、くるみの名前を呟いていた。
くるみは、ホテルの窓から外を見上げて、我妻の無事を願っていた。
(我妻さん、どうかご無事でいてください、そして、もう、私に関わらないで)
くるみの頬を涙が伝わった。
そこにくるみのスマホが鳴った。
『はい』
『先ほどはありがとうございました、我妻組の結城です』
その電話の相手は我妻組の結城だった。
『我妻さんはどんなご様子ですか』
『はい、いまだに眠り続けています』
『そうですか』
『若頭の命を守って頂き、ありがとうございました』
『いいえ、怪我をさせてしまい、申し訳ありませんでした、もう私に関わらないようにお伝えください』
『承知致しました』
そして、スマホは切れた。
くるみはホテルのロビーに飲み物を買うため、ドアを開けた。
そこには壁に座り込んでいる山城の姿があった。
「山城さん、こんなところで何をしているのですか」
くるみに揺り起こされて、山城は気がついた。
「くるみ、いつの間にか眠っていたんだな」
「部屋に入ってください」
くるみは山城を部屋に入るように促した。
くるみの泊まっているホテルに向かっていた。
部屋をノックすると、くるみの返事が返ってきた。
「はい」
「俺だ、山城だ、くるみ、開けてくれないか、話したい」
山城はドアに向かって叫んだ。
くるみの返事はない。
「くるみ、お前をこの手に抱きしめたい、お前が我妻を手当するために、部屋に二人きりになったときの俺の気持ちがわかるか」
「いや、そうじゃなくて、えっと……」
山城はしどろもどろになっていた。
ドアがチェーンがかかったまま、少し開いた。
「くるみ」
「山城さん、ごめんなさい、今日は一人でいたいんです」
くるみはそう言って、ドアが閉まった。
(くるみ、くるみ)
山城はドアにもたれかかり、くるみの名前を呟いていた。
くるみは、ホテルの窓から外を見上げて、我妻の無事を願っていた。
(我妻さん、どうかご無事でいてください、そして、もう、私に関わらないで)
くるみの頬を涙が伝わった。
そこにくるみのスマホが鳴った。
『はい』
『先ほどはありがとうございました、我妻組の結城です』
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『そうですか』
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『承知致しました』
そして、スマホは切れた。
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「山城さん、こんなところで何をしているのですか」
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「部屋に入ってください」
くるみは山城を部屋に入るように促した。
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