お前に惚れた〜極道の一途すぎる愛

ラヴ KAZU

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第五章 ひとみを連れ戻す

ボコボコにされた力也

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ただでは済まないだろう。

(それでも、俺はひとみを連れ帰る、ひとみのいない人生は考えられない)

そして結城と約束した時間ではなく、我妻はひとみの働いているキャバクラに一人で向かった。

「これは珍しいお客さんですね」

「ひとみを返してもらいに来た」

「何を血迷ったことを言ってるのかと思えば、くるみは自分の意思で、俺の女になったんだ、毎晩俺に抱かれて感じてくれてるよ」

「違う、お前が強要したんだろう、俺はくるみを指名したんだ、早く連れてきてもらおうか」

山城は仕方なく、くるみに我妻の接待をさせた。

「いらっしゃいませ」

久しぶりの再会だった。

我妻はじっとひとみを見つめた。

「ひとみ、元気だったか」

ひとみは我妻の顔を見ないで「はい」とだけ答えた。

愛しい男性、我妻の胸に飛び込みたい気持ちが溢れ出した。

でも、それは許されないことだ。

(私はもうすでに山城さんに毎晩抱かれている、我妻さんに抱いてもらえる女ではない、それに借金を我妻さんに払ってもらうことだけは出来ないよ)

「ひとみ、俺と一緒に帰ろう」

我妻はひとみの手を引き寄せ、席を立った。

出口に向かって、ひとみを連れ出そうとした。

しかし、山城組組員に取り囲まれた。

我妻の抵抗も虚しくボコボコにされた。

「もう、やめてください」

ひとみは我妻の身体に覆い被さった。

「やめろ、くるみに手を出すな」

山城組員はいつもと違う山城の行動に唖然としていた。

「山城さん、このお客さんの手当をしたいので、部屋に運んでください、お願い、山城さん」

山城はくるみのすがる姿に何も言えなくなった。

「おい、我妻を部屋に運べ」

ひとみは山城に近づいて、頬にキスを落とした。

「くるみ、手当が済んだら、我妻組に連絡して迎えに来てもらえ、いいな、お前は俺の元に帰ってくるんだ」

ひとみは「はい」と返事をした。

部屋に運ばれた我妻を、ひとみは手当をした。

(こんなに殴られて、一人で来るなんて、信じられない)
タオルを絞って、顔を拭った。

我妻はひとみの手に触れて、うわごとのようにひとみ、ひとみって呼んでいた。
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