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第一章 婚活パーティーでの出会い

力也とのキス

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「いやいや、無理でしょ、だって私、三十九よ」

「いいえ、あなたは二十六、キャバ嬢なんて年齢詐称は当たり前よ」

そして、私は我妻組管轄のキャバクラで働くことになった。

今回の婚活パーティーはおとなしく、大人の雰囲気な感じで、コンタクトに暗めの茶髪のストレートで望んだ。

キャバクラではピンクが入った茶髪で、ロングの巻き髪エクステ、つけまつ毛、派手なメイクでキャバ嬢くるみとして働いている。

「誰も同一人物とは思わないよね」

自画自賛しているのは麗香だ。

食事を堪能しているところに、麗香からLINEが入った。

「すみません、ちょっと化粧室へ行ってきます」

私はそう言って、麗香からのLINEを確認した。

『ひとみ、どこにいるの?』

『会場で声かけられた男性と食事中』

『すごいじゃない、お持ち帰りされちゃったの』

『違うよ、食事してるだけだよ』

『とにかく、がんばれ』

(もう、それどころじゃないよ、なんとか早くここを出ないと)

私はこのまま出口に向かった。

しかし、外には我妻さんが腕組みをして立っていた。

「あっ」

「あっ、じゃないですよ、ひどいな、俺をおいて帰ろうとするなんて」

「すみません、でも、本当にもう帰らないと」

「それなら、連絡先交換してください」

(どうしよう)

私は俯いて答えなかった。

「俺は嫌われているってことですか」

「いえ、そんなことは……」

「タクシー呼びます」

我妻さんはタクシーを呼んでくれた。

ドアが開き、タクシーに乗り込むと、我妻さんが顔を私に近づけて、首の後ろに手を回し、ぐっと引き寄せキスをした。

私の唇を優しく啄んだ。

「俺は諦めませんから、ひとみさんと結婚します」

そう言って、ドアを閉めた。

タクシーは夕暮れの街に走り出した。

(えっ、キスされちゃったの?)

私はキスの感触を確かめるように、自分の唇に触れた。
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