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第五章 龍斗の嫉妬

「自分が幸せに出来ないなら、せめて幸せになる手助けくらいはしたいと思ってな」

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「全くあんたって奴はほんとにどうしようもないな」

掴んでいた新の胸ぐらを離した。

「まさか、まどかが俺の元に戻ることを選ぶとは思わなかったんだ」

「だから、まどかが具合悪いのに、放ったらかしにしたのか」

「ああ、本当は心配でどうしようもなかった、だからあんたが自分のマンションに連れて行ってくれて感謝したよ、あんたなら、経済力もあってまどかを幸せにしてくれるって思った」

「真凜がまさかあんたの義理の妹だったなんて、びっくりしたよ、それに契約結婚ってマジかよ」

「表向きはな、でも俺はまどかを愛してる、まどかが俺のプロポーズを信じてくれなかったから、苦肉の策だ」

「そうか、それなら安心だ」

「お前は変な奴だな、好きな女が他の男のものになることに安心するなんて」

「自分が幸せに出来ないなら、せめて幸せになる手助けくらいはしたいと思ってな」

新は龍斗の会社を後にした。

龍斗は真凜の動向に注意を向けた。

まどかは退院することになった。
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