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第十三章 五年間のだいしょう

「静香、手術を受けてくれ」

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「パパの事も、僕の事も忘れちゃうの」

「ああ、そうだ」

「じゃあ、毎日、僕、翔太だよって言ってあげればいいね」

「そうだな」

俺は翔太の理解力と対応力に驚いた。

もしかして、事の重大性をわかっていないのかもしれない。

でも、それはそれで、助かったと思った。

静香の方が説得するのに大変だろうと頭を悩ませた。

案の定、翔太を寝かせつけたあと、静香に話をし始めた。

「静香、ごめん」

「どうしたんですか、急に」

「俺は五年間静香を放って置いた、その間静香は悩み、苦しみ、誰にも相談出来ずに、

毎日辛い日々を送っていたんだな」

何のことを言っているのだろうと不思議な表情を見せた。

「先生から静香の病状を聞いた」

静香は驚きの表情に変わった。

先生には誰にも病気の事は内密にと釘を刺しておいたからだ。

「静香、手術を受けてくれ」

「いやです」
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