夜の帝王の一途な愛

ラヴ KAZU

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俺はホストを辞める、あゆみ子供を作ろう

新オーナーヒカル

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黙って話を聞いていたあゆみが口を開いた。

「凌との出会いは奇跡だと思っています、ときめく男性に巡り会えなくて、私はこのまま年老いていくんだろうって諦めていました、だからあの日の凌との出会いは神様からの贈り物って思いました」

「あゆみ、大袈裟だよ」

俺は照れ臭くなり頭をかいた。

「大袈裟じゃないですよ、それに確かに過酷な出来事の連続でしたけど、何回も奇跡が起きて信じられませんでした、凌は私に沢山の初めてをくれました、凌と一緒にいる事、同じ時間を生きていく事が私の夢です、だから凌も自分の夢を追い続けて欲しいんです」

「あゆみ」

「確かに凌との子供はいらないって言ったら嘘になりますが、でもお互いに無理をしない状態で自然に授かればって思っています」

「実はもう店はある人物に任せたんだ」

「えっ?そうなんですか」

「そろそろ奴が来るから帰ろう」

「奴って誰ですか?」

あゆみは急な出来事に戸惑っていた。

俺とあゆみはマンションへ向かった。

「今日の夕飯は何?」

「唐揚げとサラダです」

「やったあ」

そこへ思った通り、ある人物がインターホンを鳴らした。

「はい」

「社長、ヒカルです」

「どうぞ」

「社長、聞いて下さいよ」

ヒカルは源氏名を漢字から片仮名に変えた。

「俺はもう社長じゃない」

「あっ、えっと、麻生さん」

「どうしたんだ」

ヒカルはグチをこぼし始めた。

「俺って魅力ないんですか」

「そんな事ないよ、No.2だったんだからな」

「麻生さんの常連さん、皆優しいんですけど、俺には魅力感じないって言うんです」

ヒカルは項垂れた。

「一生懸命麻生さんの真似して頑張ってるのに、全然響かないって言われちゃって、ショックですよ」

その時、ずっと黙っていたあゆみが口を開いた。

「ヒカルくん、凌の真似するんじゃなくて、ヒカルくんのいいところいっぱいあるから、そこを押してみたらどうかしら」

「そうだよ、お前の魅力は俺の真似じゃなく他にあるんだからな」

「そうか、あゆみさんありがとうございます、唐揚げ頂きます、うまい、麻生さんは幸せですね」

「そうだろ、今日から毎日あゆみを抱くんだから、早く仕事行け」

「凌、恥ずかしい事言わないでください」

「もう、いいなあ、俺は邪魔みたいなんで退散します」

ヒカルは仕事に向かった。


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