夜の帝王の一途な愛

ラヴ KAZU

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第七章 私を覚えていない彼

はじめまして、結城あゆみです

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心臓の鼓動がドキンドキンと早くなった。 
でもなんではじめまして? 
そうか、過去は忘れて接して貰いたい、 そう言うメッセージ? 
「は、はじめまして、結城あゆみです、よろしくお願いします」 
「ランチじゃなくディナーはどう?」 
「あっ、ディナー・・・」 
「他の男と食事するなって彼氏に怒られちゃう?」 
「か、彼はいません」 
「やったあ、じゃ一日あゆみさんを予約ね」
「えっ、どういうことですか?」 
「一日俺とデートってこと、朝待ち合わせしてドライブしよう」 
どういうこと?私は混乱していた。 
「聞いている?」 
「えっ、あっ はい」 
「大丈夫?」 
「大丈夫です、あのう、ドライブって、この日は打ち合わせですよね」
「そうだよ、ドライブしてランチとディナーしながら打ち合わせ、ゆっくり時間取れるんでしょ?」 
「それはそうですけど・・・」 
「じゃあ、決まりね、月曜日十時に迎えに行く、店の前?それともあゆみさんの住んでいるところに行こうか」 
「あのう、なんで私をドライブに誘ってくれるのですか?」 初めまして
彼が誘ってくれることが不思議だった。過去を忘れて接して欲しいなら誘わないよね。 
「あゆみさんのプロフィール見て、実際に喋って凄く興味が湧いたから、会ってみたくなった」 
私は彼と再会することになった。 

月曜日がやってきた。 
私は朝からドキドキ、ワクワクしながら準備を進めた。 
どんな顔して会えばいいだろう? 
はじめましてだよね、がんばれ私。 
店の前で彼を待った、約束の五分前に黒のアウディが横付けされた。 
そして彼が車から降りて来た。 
「お待たせ、麻生凌です」 
彼との一年ぶりの再会の瞬間である。 
「は、はじめまして、結城あゆみです」 
心臓の鼓動が早くなるのを感じた、ドキドキが止まらない。 
じっと彼を見つめたまま、動けなかった。 
彼との一年前の思い出が走馬灯のように蘇る。 
自分でも気づかないうちに涙が溢れて頬を伝わった。 
彼は私に近づき、頬の涙を拭ってくれた。 
私ははっと気づき、後ろに下がろうとした瞬間、バランスを崩し倒れそうになった、彼は私の手を引き寄せ抱きしめた。 
彼の腕に支えられてじっと見つめ合った。 
「大丈夫?」 
「あっ、ごめんなさい、大丈夫です」 
私は慌てて彼から離れた。 
心臓がドキンドキンと音を立てて呼吸が苦しい。 
彼は車のドアを開けてくれた。 
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