103 / 111
第二十一章 新たなる試練
健志の暴走
しおりを挟む
(北山先生)
オートロックを解錠して、健志を招き入れた。
「みゆちゃん、体調はどう?」
「大丈夫です」
みゆのただならぬ様子に気づいた健志は、何かあったのだろうと察知した。
「みゆちゃん、何かあったの」
みゆは健志に話せば絶対に反対されると思い、誤魔化した。
「何もありませんよ」
「みゆちゃん、ちゃんと話してくれないと、大変なことになってからでは遅いんだ」
みゆはこの時、少しでも早く廉也の元に向かいたかった。
そして、心にもない言葉を健志にぶつけた。
「北山先生には関係ないことです、今の私の主治医ではないし、これ以上
私に関わらないでください」
みゆは健志の顔を見る事が出来なかった。
健志はみゆの信じられない言葉にショックを受けた。
「関係ない?」
健志は動揺を隠せなかった。
みゆの腕を掴み、言葉を荒げた。
「みゆちゃん、俺がどれほど君を思い、君のために尽力してきたか、それなのに、
君は俺に対して、関わるなと言うのか」
「北山先生、痛いです、離してください」
健志はみゆをソファに押し倒した。
「みゆちゃん、俺は……」
健志はみゆの首筋に唇を押し当てた。
健志のみゆへの溢れる気持ちが爆発した瞬間だった。
「先生、やめてお願い」
健志は我に返り、みゆから離れた。
「みゆちゃん、ごめん」
健志はマンションを後にした。
みゆは溢れる涙を拭いながら、去って行く健志にごめんなさいと呟いた。
初めて与那国島で巡り合った時から、健志の気持ちに応えられない自分をどうすることも出来ずにいた。
みゆは顔を洗い、気持ちを入れ替えた。
(早く廉也さんの元に行かなくちゃ)
みゆは渡米の準備を進めた。
その頃、健志は自分の言動を後悔していた。
(俺はなんてことをしてしまったんだ、みゆちゃんを押し倒すなんて、
医者として、廉也の親友としてあるまじき行為だ)
みゆはすぐに渡米した。
オートロックを解錠して、健志を招き入れた。
「みゆちゃん、体調はどう?」
「大丈夫です」
みゆのただならぬ様子に気づいた健志は、何かあったのだろうと察知した。
「みゆちゃん、何かあったの」
みゆは健志に話せば絶対に反対されると思い、誤魔化した。
「何もありませんよ」
「みゆちゃん、ちゃんと話してくれないと、大変なことになってからでは遅いんだ」
みゆはこの時、少しでも早く廉也の元に向かいたかった。
そして、心にもない言葉を健志にぶつけた。
「北山先生には関係ないことです、今の私の主治医ではないし、これ以上
私に関わらないでください」
みゆは健志の顔を見る事が出来なかった。
健志はみゆの信じられない言葉にショックを受けた。
「関係ない?」
健志は動揺を隠せなかった。
みゆの腕を掴み、言葉を荒げた。
「みゆちゃん、俺がどれほど君を思い、君のために尽力してきたか、それなのに、
君は俺に対して、関わるなと言うのか」
「北山先生、痛いです、離してください」
健志はみゆをソファに押し倒した。
「みゆちゃん、俺は……」
健志はみゆの首筋に唇を押し当てた。
健志のみゆへの溢れる気持ちが爆発した瞬間だった。
「先生、やめてお願い」
健志は我に返り、みゆから離れた。
「みゆちゃん、ごめん」
健志はマンションを後にした。
みゆは溢れる涙を拭いながら、去って行く健志にごめんなさいと呟いた。
初めて与那国島で巡り合った時から、健志の気持ちに応えられない自分をどうすることも出来ずにいた。
みゆは顔を洗い、気持ちを入れ替えた。
(早く廉也さんの元に行かなくちゃ)
みゆは渡米の準備を進めた。
その頃、健志は自分の言動を後悔していた。
(俺はなんてことをしてしまったんだ、みゆちゃんを押し倒すなんて、
医者として、廉也の親友としてあるまじき行為だ)
みゆはすぐに渡米した。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
隠れオタクの女子社員は若社長に溺愛される
永久保セツナ
恋愛
【最終話まで毎日20時更新】
「少女趣味」ならぬ「少年趣味」(プラモデルやカードゲームなど男性的な趣味)を隠して暮らしていた女子社員・能登原こずえは、ある日勤めている会社のイケメン若社長・藤井スバルに趣味がバレてしまう。
しかしそこから二人は意気投合し、やがて恋愛関係に発展する――?
肝心のターゲット層である女性に理解できるか分からない異色の女性向け恋愛小説!
人違いラブレターに慣れていたので今回の手紙もスルーしたら、片思いしていた男の子に告白されました。この手紙が、間違いじゃないって本当ですか?
石河 翠
恋愛
クラス内に「ワタナベ」がふたりいるため、「可愛いほうのワタナベさん」宛のラブレターをしょっちゅう受け取ってしまう「そうじゃないほうのワタナベさん」こと主人公の「わたし」。
ある日「わたし」は下駄箱で、万年筆で丁寧に宛名を書いたラブレターを見つける。またかとがっかりした「わたし」は、その手紙をもうひとりの「ワタナベ」の下駄箱へ入れる。
ところが、その話を聞いた隣のクラスのサイトウくんは、「わたし」が驚くほど動揺してしまう。 実はその手紙は本当に彼女宛だったことが判明する。そしてその手紙を書いた「地味なほうのサイトウくん」にも大きな秘密があって……。
「真面目」以外にとりえがないと思っている「わたし」と、そんな彼女を見守るサイトウくんの少女マンガのような恋のおはなし。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しています。
扉絵は汐の音さまに描いていただきました。
俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。
十年越しの溺愛は、指先に甘い星を降らす
和泉杏咲
恋愛
私は、もうすぐ結婚をする。
職場で知り合った上司とのスピード婚。
ワケアリなので結婚式はナシ。
けれど、指輪だけは買おうと2人で決めた。
物が手に入りさえすれば、どこでもよかったのに。
どうして私達は、あの店に入ってしまったのだろう。
その店の名前は「Bella stella(ベラ ステラ)」
春の空色の壁の小さなお店にいたのは、私がずっと忘れられない人だった。
「君が、そんな結婚をするなんて、俺がこのまま許せると思う?」
お願い。
今、そんなことを言わないで。
決心が鈍ってしまうから。
私の人生は、あの人に捧げると決めてしまったのだから。
⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒* ゚*。*⌒*。*゚
東雲美空(28) 会社員 × 如月理玖(28) 有名ジュエリー作家
⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒* ゚*。*⌒*。*゚
40歳88キロの私が、クールな天才医師と最高の溺愛家族を作るまで
和泉杏咲
恋愛
1度諦めたはずのもの。もしそれを手にしたら、失う時の方が怖いのです。
神様……私は彼を望んでも良いのですか?
もうすぐ40歳。
身長155cm、体重は88キロ。
数字だけで見れば末広がりで縁起が良い数字。
仕事はそれなりレベル。
友人もそれなりにいます。
美味しいものはそれなりに毎日食べます。
つまり私は、それなりに、幸せを感じられる生活を過ごしていました。
これまでは。
だから、これ以上の幸せは望んではダメだと思っていました。
もう、王子様は来ないだろうと諦めていました。
恋愛に結婚、出産。
それは私にとってはテレビや、映画のようなフィクションのお話だと思っていました。
だけど、運命は私に「彼」をくれました。
「俺は、そのままのお前が好きだ」
神様。 私は本当に、彼の手を取っても良いのでしょうか?
もし一度手に取ってしまったら、私はもう二度と戻れなくなってしまうのではないでしょうか?
彼を知らない頃の私に。
それが、とても……とても怖いのです。
ワケあり上司とヒミツの共有
咲良緋芽
恋愛
部署も違う、顔見知りでもない。
でも、社内で有名な津田部長。
ハンサム&クールな出で立ちが、
女子社員のハートを鷲掴みにしている。
接点なんて、何もない。
社内の廊下で、2、3度すれ違った位。
だから、
私が津田部長のヒミツを知ったのは、
偶然。
社内の誰も気が付いていないヒミツを
私は知ってしまった。
「どどど、どうしよう……!!」
私、美園江奈は、このヒミツを守れるの…?
【完結】maybe 恋の予感~イジワル上司の甘いご褒美~
蓮美ちま
恋愛
会社のなんでも屋さん。それが私の仕事。
なのに突然、企画部エースの補佐につくことになって……?!
アイドル顔負けのルックス
庶務課 蜂谷あすか(24)
×
社内人気NO.1のイケメンエリート
企画部エース 天野翔(31)
「会社のなんでも屋さんから、天野さん専属のなんでも屋さんってこと…?」
女子社員から妬まれるのは面倒。
イケメンには関わりたくないのに。
「お前は俺専属のなんでも屋だろ?」
イジワルで横柄な天野さんだけど、仕事は抜群に出来て人望もあって
人を思いやれる優しい人。
そんな彼に認められたいと思う反面、なかなか素直になれなくて…。
「私、…役に立ちました?」
それなら…もっと……。
「褒めて下さい」
もっともっと、彼に認められたい。
「もっと、褒めて下さ…っん!」
首の後ろを掬いあげられるように掴まれて
重ねた唇は煙草の匂いがした。
「なぁ。褒めて欲しい?」
それは甘いキスの誘惑…。
甘い束縛
はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。
※小説家なろうサイト様にも載せています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる