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第十七章 廉也の嫉妬

健志のみゆへの気持ちが再燃

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みゆは涙が溢れて止まらなかった。

「とにかく、中に入りましょう」

ゆかりはみゆの肩を支えてビルの中に入った。

みゆは過呼吸に襲われて、しばらく医務室で休んでいた。

まが悪いとはこのことだろう。

与那国島から、健志が東京へ出てきていた。

「姉さん、久しぶり」

「健志、どうしたの?」

その時、ベッドで横になっているみゆを見つけた。

「みゆちゃん、具合悪いの?」

「姉さん、みゆちゃん大丈夫?」

健志はみゆが廉也と共に東京に戻ってからも、ずっとゆかりにみゆの体調を心配して、

連絡を入れていた。

時々検査をして数値を把握しておいた方がいいと、健志の提案だった。

「健志、落ち着いて、ちょっと過呼吸起こしたの」

「なんで?」

与那国島を出る時、みゆに心配かけないようにと廉也に懇々とお説教をして、約束させていた。

そのことを知っているゆかりはなんて言えばいいのか悩んでいた。

「ちょっと廉也とみゆさんの間に行き違いがあって……」

「行き違いって?」
ゆかりは誤魔化しようがなくなって、本当の事を話す出した。

「みゆさんが東城氏のことを慎太郎さんって呼んだら、廉也が不機嫌になったらしいの」

「廉也が嫉妬したってこと?」

「廉也に聞いてみないとわからないけど、多分そうだと思う」

「それで?」

「今日の夕方の便で東城氏と契約のため、渡米の予定なんだけど、みゆさんには昨日行ってくるって伝えたらしいのよ」

健志はゆかりの話を黙って聞いていた。

「みゆさんから廉也が不機嫌になったって、どうしてなのかわからないって電話もらって、食事して、検査もしましょうって、会社にくるように誘ったの、そしたら……」

「そしたら何?」

「多分ね、廉也のことだから、気分がむしゃくしゃして、昨夜はホテルに泊まったんだと思うんだけど……」

「みゆちゃんが何か見て、ショックを受けて過呼吸を起こした」

「もう、私まだ何も言ってないけど」

「廉也は女性とホテルから出てきたんだ」

「うん、でも、浮気とは決まってないでしょ」

その時、みゆが意識を取り戻した。
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