73 / 111
第十六章 真実の愛
慎太郎と廉也の約束
しおりを挟む
「彼からみゆちゃんが結婚相手だと聞いてビックリしたよ」
私は俯いて慎太郎さんの話を聞いていた。
「桂木ホテルリゾートが倒産の危機を迎えてしまった、彼は自分の力が及ばず、社員に迷惑をかけたと項垂れていた、宇佐美不動産のご令嬢の事も聞いた、決して彼は間違ってはいなかったと思うよ、みゆちゃんと結婚したい気持ちに嘘偽りがないって証拠だからな」
「でも、私のせいで廉也さん、いえ社長を苦しめてしまって、申し訳ないです」
「男はいつでも愛する女のために、苦労するように出来ているんだ、わしだってもう少し若かったら、あの時みゆちゃんと生きる道を選んでいた」
私は慎太郎さんの口から真実が語られた事に驚きを隠せなかった。
「慎太郎さんがあの時私の前から姿を消したのは、私の事を思っての行動だったんですか?」
慎太郎さんは恥ずかしそうに俯いた。
「私は側にいて欲しかったです、てっきり嫌われたんだと思っていました、だからすごく悲しくて寂しくて、大変な思いをする事になっても、大好きな人と一緒にいたいです」
「ありがとう、そう言ってくれて嬉しいよ、それなら桂木くんの気持ちがわかるだろう?大変な思いをしても、大好きな人と一緒にいたいと、彼も思っているよ」
私は慎太郎に言われた言葉にハッと気づいて、涙が溢れて来た。
「みゆちゃん、実はな、桂木くんからみゆちゃんと結婚したいと言う意思があると聞いて条件を出した、みゆちゃんと結婚して生涯愛すると誓うことが出来るなら、わしの会社のグループ会社になる事を進めた、そうすれば心配する事は何もないからね」
「そんな約束があったなんて知りませんでした、なんで廉也さんは話してくれなかったんでしょうか」
「みゆちゃんに振られたと言っていたよ」
私は麗子さんと結婚することが桂木ホテルリゾートを守る事だと思っていたから、廉也さんとの別れを決意した、でもそうじゃなかった、慎太郎さんの気遣いで私との結婚が条件だったなんて、そんな事も知らずに私は廉也さんを愛していないなんて酷い言葉をぶつけてしまった。
「みゆちゃんの本心が北山先生にあるのなら、会社を守るために自分を犠牲にして桂木くんとの結婚を選ぶだろうと言っていた、だから何も告げずにみゆちゃんの本心を確かめたと言っていたよ、桂木くんを振ったのは本心じゃないね」
私は涙が止まらず、でも、慎太郎さんには本当の気持ちを伝えた。
「廉也さんを愛しています」
私の言葉を聞いて、北山先生はその場から離れた。
「私、廉也さんの元に行きます」
「待つんだ、みゆに振られたから約束は出来なくなったと、わしの元にやって来た後、みゆをどうしても諦められないから、会社を立て直す資金を貸して欲しいと頭を下げに来た」
「廉也さん」
「会社が持ち直せば、堂々とみゆにプロポーズ出来ると、それでみゆが北山先生を選ぶのであれば、その時はみゆを諦めると言っていたよ」
「あのう、私からもお願いします、廉也さんにお金を貸してあげてください、私も働いて一緒に返します」
私は慎太郎さんに頭を下げた。
私は俯いて慎太郎さんの話を聞いていた。
「桂木ホテルリゾートが倒産の危機を迎えてしまった、彼は自分の力が及ばず、社員に迷惑をかけたと項垂れていた、宇佐美不動産のご令嬢の事も聞いた、決して彼は間違ってはいなかったと思うよ、みゆちゃんと結婚したい気持ちに嘘偽りがないって証拠だからな」
「でも、私のせいで廉也さん、いえ社長を苦しめてしまって、申し訳ないです」
「男はいつでも愛する女のために、苦労するように出来ているんだ、わしだってもう少し若かったら、あの時みゆちゃんと生きる道を選んでいた」
私は慎太郎さんの口から真実が語られた事に驚きを隠せなかった。
「慎太郎さんがあの時私の前から姿を消したのは、私の事を思っての行動だったんですか?」
慎太郎さんは恥ずかしそうに俯いた。
「私は側にいて欲しかったです、てっきり嫌われたんだと思っていました、だからすごく悲しくて寂しくて、大変な思いをする事になっても、大好きな人と一緒にいたいです」
「ありがとう、そう言ってくれて嬉しいよ、それなら桂木くんの気持ちがわかるだろう?大変な思いをしても、大好きな人と一緒にいたいと、彼も思っているよ」
私は慎太郎に言われた言葉にハッと気づいて、涙が溢れて来た。
「みゆちゃん、実はな、桂木くんからみゆちゃんと結婚したいと言う意思があると聞いて条件を出した、みゆちゃんと結婚して生涯愛すると誓うことが出来るなら、わしの会社のグループ会社になる事を進めた、そうすれば心配する事は何もないからね」
「そんな約束があったなんて知りませんでした、なんで廉也さんは話してくれなかったんでしょうか」
「みゆちゃんに振られたと言っていたよ」
私は麗子さんと結婚することが桂木ホテルリゾートを守る事だと思っていたから、廉也さんとの別れを決意した、でもそうじゃなかった、慎太郎さんの気遣いで私との結婚が条件だったなんて、そんな事も知らずに私は廉也さんを愛していないなんて酷い言葉をぶつけてしまった。
「みゆちゃんの本心が北山先生にあるのなら、会社を守るために自分を犠牲にして桂木くんとの結婚を選ぶだろうと言っていた、だから何も告げずにみゆちゃんの本心を確かめたと言っていたよ、桂木くんを振ったのは本心じゃないね」
私は涙が止まらず、でも、慎太郎さんには本当の気持ちを伝えた。
「廉也さんを愛しています」
私の言葉を聞いて、北山先生はその場から離れた。
「私、廉也さんの元に行きます」
「待つんだ、みゆに振られたから約束は出来なくなったと、わしの元にやって来た後、みゆをどうしても諦められないから、会社を立て直す資金を貸して欲しいと頭を下げに来た」
「廉也さん」
「会社が持ち直せば、堂々とみゆにプロポーズ出来ると、それでみゆが北山先生を選ぶのであれば、その時はみゆを諦めると言っていたよ」
「あのう、私からもお願いします、廉也さんにお金を貸してあげてください、私も働いて一緒に返します」
私は慎太郎さんに頭を下げた。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説

社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
葉月 まい
恋愛
近すぎて遠い存在
一緒にいるのに 言えない言葉
すれ違い、通り過ぎる二人の想いは
いつか重なるのだろうか…
心に秘めた想いを
いつか伝えてもいいのだろうか…
遠回りする幼馴染二人の恋の行方は?
幼い頃からいつも一緒にいた
幼馴染の朱里と瑛。
瑛は自分の辛い境遇に巻き込むまいと、
朱里を遠ざけようとする。
そうとは知らず、朱里は寂しさを抱えて…
・*:.。. ♡ 登場人物 ♡.。.:*・
栗田 朱里(21歳)… 大学生
桐生 瑛(21歳)… 大学生
桐生ホールディングス 御曹司

隠れオタクの女子社員は若社長に溺愛される
永久保セツナ
恋愛
【最終話まで毎日20時更新】
「少女趣味」ならぬ「少年趣味」(プラモデルやカードゲームなど男性的な趣味)を隠して暮らしていた女子社員・能登原こずえは、ある日勤めている会社のイケメン若社長・藤井スバルに趣味がバレてしまう。
しかしそこから二人は意気投合し、やがて恋愛関係に発展する――?
肝心のターゲット層である女性に理解できるか分からない異色の女性向け恋愛小説!


あなたが居なくなった後
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの専業主婦。
まだ生後1か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。
朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。
乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。
会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願う宏樹。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる