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第十五章 すれ違う気持ち
みゆと慎太郎の再会
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俺は再びアメリカへ飛んだ。
「お金を貸してください」
俺は東城氏に頭を下げた。
「やっと来たか」
そう言って東城氏は一枚の小切手を俺に手渡した。
「あの、これは」
「当面の資金だ、それからうちのメインバンクを紹介する、後は自分でなんとかしろ」
「ありがとうございます、必ずお返し致します」
「当たり前だ、みゆちゃんを幸せに出来ない男に、わしの大事な金はやれん」
「申し訳ありません」
俺は東城氏に深々と頭を下げた。
「会社を立て直してから、みゆちゃんを迎えに行けよ、まさかこのまま引き下がるつもりじゃあるまい?」
「会社もみゆも諦めません」
「そうか、その言葉信じるぞ」
「はい」
俺は東京へ戻り、会社の立て直してに全力を注いだ。
それからしばらくして、与那国島の診療所に一人の男性が訪ねて来た。
東城ホールディングス会長、東城慎太郎だ。
「あのう、立木みゆさんはこちらにいらっしゃいますでしょうか」
私は振り向くとそこには慎太郎さんが立っていた。
「みゆ、元気だったかい」
「慎太郎さん」
私は思わず駆け寄り、慎太郎さんの胸に飛び込んだ。
暖かな温もりを求めている子供のように……
「病気だと聞いたが大丈夫なのかい?」
「はい、北山先生のおかげでだいぶ良くなりました」
そこへ北山先生が挨拶しようとして近づいて来た。
「はじめまして、当診療所の医師で北山と申します」
「わしは十年前にみゆちゃんに助けられた年寄りです、東城ホールディングスの東城慎太郎と申します」
「慎太郎さんどうしてここがわかったんですか」
「桂木くんに聞いてな」
「廉也さんに会ったんですか」
「ああ、彼がわしを訪ねて来てな、わしと桂木会長、つまり彼の父親は古い友人なんだ」
私はビックリして息を飲んだ。
慎太郎さんと廉也さんのお父様が古い友人だったなんて……
「お金を貸してください」
俺は東城氏に頭を下げた。
「やっと来たか」
そう言って東城氏は一枚の小切手を俺に手渡した。
「あの、これは」
「当面の資金だ、それからうちのメインバンクを紹介する、後は自分でなんとかしろ」
「ありがとうございます、必ずお返し致します」
「当たり前だ、みゆちゃんを幸せに出来ない男に、わしの大事な金はやれん」
「申し訳ありません」
俺は東城氏に深々と頭を下げた。
「会社を立て直してから、みゆちゃんを迎えに行けよ、まさかこのまま引き下がるつもりじゃあるまい?」
「会社もみゆも諦めません」
「そうか、その言葉信じるぞ」
「はい」
俺は東京へ戻り、会社の立て直してに全力を注いだ。
それからしばらくして、与那国島の診療所に一人の男性が訪ねて来た。
東城ホールディングス会長、東城慎太郎だ。
「あのう、立木みゆさんはこちらにいらっしゃいますでしょうか」
私は振り向くとそこには慎太郎さんが立っていた。
「みゆ、元気だったかい」
「慎太郎さん」
私は思わず駆け寄り、慎太郎さんの胸に飛び込んだ。
暖かな温もりを求めている子供のように……
「病気だと聞いたが大丈夫なのかい?」
「はい、北山先生のおかげでだいぶ良くなりました」
そこへ北山先生が挨拶しようとして近づいて来た。
「はじめまして、当診療所の医師で北山と申します」
「わしは十年前にみゆちゃんに助けられた年寄りです、東城ホールディングスの東城慎太郎と申します」
「慎太郎さんどうしてここがわかったんですか」
「桂木くんに聞いてな」
「廉也さんに会ったんですか」
「ああ、彼がわしを訪ねて来てな、わしと桂木会長、つまり彼の父親は古い友人なんだ」
私はビックリして息を飲んだ。
慎太郎さんと廉也さんのお父様が古い友人だったなんて……
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