上 下
25 / 111
第四章 廉也の婚約者

龍司からのプロポーズ

しおりを挟む
私は廉也さんに嘘をついてしまった。

(友紀ちゃんと約束なんてしていない、こんな気持ちで廉也さんとは一緒にいられない)

(やっぱり信じるべきではなかった、私を本気で好きになるわけがない、このまま廉也さんとは距離をおこう)

アパートに戻り、しばらくすると廉也さんからの電話が鳴った。

私は出なかった、しばらくしてメールが届いた、廉也さんからのメール。

『体調は大丈夫か?みゆの態度が気になったが、気のせいだろうか?もし何かあるならちゃんと言ってくれ、俺の気持ちに変わりはない』

私は廉也さんからのメールに返信した。

『体調は大丈夫です、お気遣い頂きありがとうございます、ちょっと疲れただけなので、もう休みます、おやすみなさい』

廉也さんは私からの返信を見て嫌な予感が脳裏を掠めた。

それからしばらくして玄関のチャイムが鳴った。

(まさか廉也さん?)

私は恐る恐るドアの覗き窓を見た、そこには龍司さんが立っていた。

「みゆ、開けてくれ」

「龍司さん、今開けるね」

私はドアのチェーンを外し、ドアを開けた。

「一人?入ってもいいかな」

「どうぞ」

「みゆ、この間のプロポーズだけど、僕は本気だから……」

「龍司さん」

「あの時は社長になっていなかったから周りに振り回されてた、みゆと別れて役員達の薦めの女性と付き合ったが、みゆを忘れられなかった、だから早く社長になってみゆを迎えに行こうって決めたんだ」

私は龍司さんの優しさに心が動きそうになった、廉也さんのことがあり、涙が溢れて止まらなくなった。

「みゆ、何かあったのか?」

龍司さんは私の泣いている顔を見つめ抱きしめた。

「僕がみゆを幸せにするから、僕についてきてくれないか」

「少し時間をちょうだい」

「わかったよ、みゆ、また来るから」

龍司はアパートを後にした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】その男『D』につき~初恋男は独占欲を拗らせる~

蓮美ちま
恋愛
最低最悪な初対面だった。 職場の同僚だろうと人妻ナースだろうと、誘われればおいしく頂いてきた来る者拒まずでお馴染みのチャラ男。 私はこんな人と絶対に関わりたくない! 独占欲が人一倍強く、それで何度も過去に恋を失ってきた私が今必死に探し求めているもの。 それは……『Dの男』 あの男と真逆の、未経験の人。 少しでも私を好きなら、もう私に構わないで。 私が探しているのはあなたじゃない。 私は誰かの『唯一』になりたいの……。

振られた私

詩織
恋愛
告白をして振られた。 そして再会。 毎日が気まづい。

隠れオタクの女子社員は若社長に溺愛される

永久保セツナ
恋愛
【最終話まで毎日20時更新】 「少女趣味」ならぬ「少年趣味」(プラモデルやカードゲームなど男性的な趣味)を隠して暮らしていた女子社員・能登原こずえは、ある日勤めている会社のイケメン若社長・藤井スバルに趣味がバレてしまう。 しかしそこから二人は意気投合し、やがて恋愛関係に発展する――? 肝心のターゲット層である女性に理解できるか分からない異色の女性向け恋愛小説!

羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。

泉野あおい
恋愛
人の気持ちに重い軽いがあるなんて変だと思ってた。 でも今、確かに思ってる。 ―――この愛は、重い。 ------------------------------------------ 羽柴健人(30) 羽柴法律事務所所長 鳳凰グループ法律顧問 座右の銘『危ない橋ほど渡りたい。』 好き:柊みゆ 嫌い:褒められること × 柊 みゆ(28) 弱小飲料メーカー→鳳凰グループ・ホウオウ総務部 座右の銘『石橋は叩いて渡りたい。』 好き:走ること 苦手:羽柴健人 ------------------------------------------

人違いラブレターに慣れていたので今回の手紙もスルーしたら、片思いしていた男の子に告白されました。この手紙が、間違いじゃないって本当ですか?

石河 翠
恋愛
クラス内に「ワタナベ」がふたりいるため、「可愛いほうのワタナベさん」宛のラブレターをしょっちゅう受け取ってしまう「そうじゃないほうのワタナベさん」こと主人公の「わたし」。 ある日「わたし」は下駄箱で、万年筆で丁寧に宛名を書いたラブレターを見つける。またかとがっかりした「わたし」は、その手紙をもうひとりの「ワタナベ」の下駄箱へ入れる。 ところが、その話を聞いた隣のクラスのサイトウくんは、「わたし」が驚くほど動揺してしまう。 実はその手紙は本当に彼女宛だったことが判明する。そしてその手紙を書いた「地味なほうのサイトウくん」にも大きな秘密があって……。 「真面目」以外にとりえがないと思っている「わたし」と、そんな彼女を見守るサイトウくんの少女マンガのような恋のおはなし。 小説家になろう及びエブリスタにも投稿しています。 扉絵は汐の音さまに描いていただきました。

夜の帝王の一途な愛

ラヴ KAZU
恋愛
彼氏ナシ・子供ナシ・仕事ナシ……、ないない尽くしで人生に焦りを感じているアラフォー女性の前に、ある日突然、白馬の王子様が現れた! ピュアな主人公が待ちに待った〝白馬の王子様"の正体は、若くしてホストクラブを経営するカリスマNO.1ホスト。「俺と一緒に暮らさないか」突然のプロポーズと思いきや、契約結婚の申し出だった。 ところが、イケメンホスト麻生凌はたっぷりの愛情を濯ぐ。 翻弄される結城あゆみ。 そんな凌には誰にも言えない秘密があった。 あゆみの運命は……

隠れ御曹司の愛に絡めとられて

海棠桔梗
恋愛
目が覚めたら、名前が何だったかさっぱり覚えていない男とベッドを共にしていた―― 彼氏に浮気されて更になぜか自分の方が振られて「もう男なんていらない!」って思ってた矢先、強引に参加させられた合コンで出会った、やたら綺麗な顔の男。 古い雑居ビルの一室に住んでるくせに、持ってる腕時計は超高級品。 仕事は飲食店勤務――って、もしかしてホスト!? チャラい男はお断り! けれども彼の作る料理はどれも絶品で…… 超大手商社 秘書課勤務 野村 亜矢(のむら あや) 29歳 特技:迷子   × 飲食店勤務(ホスト?) 名も知らぬ男 24歳 特技:家事? 「方向音痴・家事音痴の女」は「チャラいけれど家事は完璧な男」の愛に絡め取られて もう逃げられない――

ハイスペックでヤバい同期

衣更月
恋愛
イケメン御曹司が子会社に入社してきた。

処理中です...