俺に抱かれる覚悟をしろ〜俺様御曹司の溺愛

ラヴ KAZU

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第一章 運命の出会い

綺麗な涙の女性

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あれから二年、俺はある女性に恋をした。

その女性の涙は綺麗だった。

恋に落ちると周りが見えなくなる。

恋をした女性は、喫茶店の窓側にじっとしていた。

俯いて動かなかった。

俺は仕事の打ち合わせに寄った喫茶店で彼女を見かけた。

彼女の目の前にはコーヒーカップが置いてあり、口をつけた形跡がない。

俺が喫茶店に入って来てから、かれこれ三十分は経過している。

「廉也様、そろそろお時間です、もう出発しませんと 遅れてしまいます」

俺に声をかけたのは親父と俺の秘書をしている高城だった。
正確には俺の秘書ではなくお守り役だ。

「ああ、ちょっと待ってくれ」

俺はどうしても彼女の存在が気になった。

彼女のテーブルに近寄った。

「あのう、相席よろしいでしょうか?」

彼女はゆっくりと顔を上げた。

その時、目にいっぱいの涙が溢れて頬を伝わった。

(なんて綺麗な涙なんだ)

俺は一瞬にして彼女に心を奪われた。

彼女は俺をじっと見つめて「私もう帰りますのでどうぞ」と言ってその場を去った。

彼女の座っていた席にスカーフが置きっぱなしになっていた。

俺は急いでそのスカーフを手に取り、彼女を追いかけた。

しかし、すでに彼女の姿はなかった。

「廉也様、お知り合いの方ですか?」

「いや、いいんだ」

俺は彼女の忘れたスカーフを握りしめて、これが彼女との最後なのかと悔やまれた。

でも諦めがつかない俺は、毎日彼女と巡り合った喫茶店に足を運んだ。

三十分から一時間ほどコーヒーを飲んで時間を潰した。
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