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第九章 離婚してください

「もう、俺達は夫婦じゃない、お前は間宮ちづるだ」

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「ちづるより若いってことだ」

「あっ、ひどい、私だって大丈夫ですよ、海堂さんとそんなに違いませんから」

「あれ?そうだっけ?」

海堂さんと一緒だと自分が病気だと言う事を忘れちゃう。

毎日、笑って過ごせるとしみじみ感じた。

海堂さんが言っていた意味がようやくわかった気がした。

私は手術を受けて、順調に回復した。

退院の日、久しぶりに海堂さんが現れた。

不安で、一人で寂しくて、悲しくて、このまま海堂さんに会えないのって思ったら、溢れる想いがどうにかなりそうだった。

「ちづる、よかったな」

私は人目も憚らず、海堂さんに抱きついた。

「ちづる?」

「あっ、ごめんなさい」

「そうだ、安心しろ、約束通り離婚届は提出したぞ」

「えっ」

「もう、俺達は夫婦じゃない、お前は間宮ちづるだ」

目の前が真っ暗になった、そうだ、私、もう海堂ちづるじゃないんだ。

夢かも、もしかしたら離婚届は受理させていないとか、海堂さんが間違えて提出忘れたとか……
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