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第六章 八年前の彼との再会

俺とちづるのただならぬ関係に気づいた慎は、ちづるの前に割って入った。

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俺はちづるをじっと見つめた。

八年前が走馬灯のように蘇る。

ちづるはずっと下を向いて俺と目を合わそうとしない。

「ちづる、さん、はじめまして、俺は仙道充、慎とは悪友ってとこかな、三十八歳独身」

「えっ?」

ちづるは俺の独身って言葉に反応して、顔を上げた。

八年前と変わらない、可愛らしい顔立ち、プリッとした唇。

俺はずっとちづるを見つめたままだった。

ちづるも俺を見つめてくれた。

俺とちづるのただならぬ関係に気づいた慎は、ちづるの前に割って入った。

「ちづる、疲れただろう、寝室で休め」

「でも……」

「いいから俺の言う通りにしろ」

「はい」

ちづるは寝室の向こうへ消えた。

俺はずっとちづるを目で追っていた。

その視線に気づかないはずはなく、慎は俺の胸ぐらを掴み、壁に押し当てた。

「おい、ちづるは俺の妻だ、手を出すな、充でも許さない」

「わかってるよ」

「わかってねえから言ってるんだ、俺とちづるは契約結婚だが、俺は本気だ」

「ちづるさんはどうかな?」
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