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第五章 同じ女を愛した悪友

「俺だったら、ちづるを迎えに行っちゃうけどな」

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仙道さんは何が言いたいのかさっぱりわからない。

「とにかく、俺の言う通りにしろ」

「理由を聞かせてください」

「ちづると結婚したい」

「どうしてですか」

「どうしてもだ、つべこべ言わずにさっさと寝ろ」

「仙道さん、お友達のところに行くんですよね」

「ここで寝る」

「はあ?」

「ちづるはゲストルームを使え、鍵がかかるからな」

私は恋人でもない男性のマンションに泊まる事になった。

朝、コーヒーのいい香りで目が覚めた。

ドアを開けてキッチンに向かうと、仙道さんが「おはよう、よくねむれたか?」と声をかけてきた。

「おはようございます」

「男に連絡したか?」

「えっ?」

急にそう言われて、私、恋人いる事になっていたんだっけと思い出した。

「ああ、はい」

「ちづるの男は、ちづるが他の男のマンションに泊まる事に寛大なんだな」

「そうですね」

「俺だったら、ちづるを迎えに行っちゃうけどな」

あ、そう言うものなのかな?

付き合った事ないからわからなかった。
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