上 下
32 / 101
第三章 連れ去られたちづる

「俺は生涯かけてちづるを守る、あんたにもあんたの息子にもちづるは渡さない」

しおりを挟む
ちづるを一番に考える自分が不思議な位だ。

「俺は生涯かけてちづるを守る、あんたにもあんたの息子にもちづるは渡さない、ちづる帰るぞ」

「あっ、はい」

ちづるを連れてマンションへ向かった。

マンションに着くと海堂さんは黙ったままだった。

あの海堂さんの言葉。

「俺は生涯かけてちづるを守る、あんたにもあんたの息子にもちづるは渡さない」

あれはなんだったんだろう、海堂さんの本心?それともあの場のでまかせ?

何も言ってくれない海堂さん、全く気持ちがわからないよ。

自殺してしまった彼女のことを今でも愛しているの?

私を必要以上に心配してくれるのは、自分の過去の行動への罪滅ぼし?

同じ事を繰り返さないための自分への戒めなんだろう。

私を愛してくれてるわけではないと自分に言い聞かせた。

取り敢えず謝らなくちゃ。

「海堂さん、ごめんなさい、一人で出歩くなと言われていたのに……」

私は海堂さんに頭を下げた。

次の瞬間、私は海堂さんに腕を掴まれて引き寄せられた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】溺愛予告~御曹司の告白躱します~

蓮美ちま
恋愛
モテる彼氏はいらない。 嫉妬に身を焦がす恋愛はこりごり。 だから、仲の良い同期のままでいたい。 そう思っているのに。 今までと違う甘い視線で見つめられて、 “女”扱いしてるって私に気付かせようとしてる気がする。 全部ぜんぶ、勘違いだったらいいのに。 「勘違いじゃないから」 告白したい御曹司と 告白されたくない小ボケ女子 ラブバトル開始

【完結】maybe 恋の予感~イジワル上司の甘いご褒美~

蓮美ちま
恋愛
会社のなんでも屋さん。それが私の仕事。 なのに突然、企画部エースの補佐につくことになって……?! アイドル顔負けのルックス 庶務課 蜂谷あすか(24) × 社内人気NO.1のイケメンエリート 企画部エース 天野翔(31) 「会社のなんでも屋さんから、天野さん専属のなんでも屋さんってこと…?」 女子社員から妬まれるのは面倒。 イケメンには関わりたくないのに。 「お前は俺専属のなんでも屋だろ?」 イジワルで横柄な天野さんだけど、仕事は抜群に出来て人望もあって 人を思いやれる優しい人。 そんな彼に認められたいと思う反面、なかなか素直になれなくて…。 「私、…役に立ちました?」 それなら…もっと……。 「褒めて下さい」 もっともっと、彼に認められたい。 「もっと、褒めて下さ…っん!」 首の後ろを掬いあげられるように掴まれて 重ねた唇は煙草の匂いがした。 「なぁ。褒めて欲しい?」 それは甘いキスの誘惑…。

社長から逃げろっ

鳴宮鶉子
恋愛
社長から逃げろっ

長い片思い

詩織
恋愛
大好きな上司が結婚。 もう私の想いは届かない。 だから私は…

振られた私

詩織
恋愛
告白をして振られた。 そして再会。 毎日が気まづい。

白衣の下 先生無茶振りはやめて‼️

アーキテクト
恋愛
弟の主治医と女子大生の恋模様

不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました

入海月子
恋愛
有本瑞希 仕事に燃える設計士 27歳 × 黒瀬諒 飄々として軽い一級建築士 35歳 女たらしと嫌厭していた黒瀬と一緒に働くことになった瑞希。 彼の言動は軽いけど、腕は確かで、真摯な仕事ぶりに惹かれていく。 ある日、同僚のミスが発覚して――。

俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜

ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。 そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、 理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。 しかも理樹には婚約者がいたのである。 全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。 二人は結婚出来るのであろうか。

処理中です...