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第三章 連れ去られたちづる

あんな思いってこの事だったんだと私は真実を知る事となった。

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三神さんは言葉を続けた。

「海堂氏には恋人を自殺に追いやった辛い経験があるようだ」

「えっ?自殺?」

驚いている私に追い討ちをかけるように話し始めた。

「海堂氏は相当な俺様タイプのようだな、社員からも、無論恋人からも反感を買っていたようだ」

私はやっぱりと心の中で頷いていた。

「その愛していた恋人から裏切られて、しかし寄りが戻ったが、海堂氏の性格はそう簡単に変えられるものではない、仕事を優先した海堂氏に自分の気持ちを言えず、病んでしまった彼女は自殺を図った」

あんな思いってこの事だったんだと私は真実を知る事となった。

「ちづるさんは海堂氏に利用されているんじゃないのかな」

私は海堂さんとは契約結婚だと言いたかったが、言葉を飲み込んだ。

そこへ慌てた様子の執事がやって来た。

「旦那様、海堂様と仰る方が旦那様にお話があると、訪ねて来ているのですが、どう致しましょうか」

海堂さんが私を迎えに来てくれたの?
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