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第十三章 亜紀を襲った病魔

「何も聞いていない、僕が居ても立っても居られなくて、来ちゃったんだ」

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「馬鹿言うなよ、違うよ、俺は亜紀を愛している」

「なんか複雑みたいね、まっいいわ、東條くんに協力してあげる」

「よろしく頼むよ」

俺は三船から刈谷がいない時を教えて貰い、亜紀と話をすると決めた。

健は俺からの状況説明が待てず、亜紀が入院している病院へ向かっていた。

「すみません、水本亜紀さんの病室はどこでしょうか」

「失礼ですが、水本亜紀さんは現在ご家族以外の方の面会はお断りする様に承っておりますので、病室をご案内する事は出来ません」

「そんなに悪いんですか」

「病状に関してもお応え出来かねます」

そこへ三船が通りかかった。

「東條健くん、私、三船あやか、覚えてる?」

「三船?お前、この病院の看護師なのか」

「もしかして、水本亜紀さんに会いに来たの?」

「ああ、でも家族以外は面会出来ないと断られた」

「東條くんに聞いてないの?」

「まだ、何も聞いていない、僕が居ても立っても居られなくて、来ちゃったんだ」

「そう言えば、東條健くんも真央が好きだったよね」

その言葉に健は顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。

「全くわかりやすいんだから」

「亜紀は大丈夫だよな、命に別状はないよな」

「東條くんにも説明したけど、検査の結果次第だから、もう少し待ってて」

「一目でも亜紀に会えないかな」

「今は無理よ、今日は帰って、また東條くんに連絡する約束してるから」

「わかった、じゃ、また来るよ」

健は仕方なく病院を後にした。   
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