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第十一章 仕組まれた罠

「理樹さんが愛しているのは真央さんですよね」

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「亜紀さん、あなたが理樹さんの側にいれば、ずっと理樹さんは真央さんを忘れられないんですよ、そんな酷い事は可哀想です、そう思いませんか」

この時私は理樹さんの側を離れる決意をした。

荷物を整理していると、健さんが帰ってきた。

「亜紀、何をやっているんだ」

「これ以上迷惑をかけられません、出ていきます」

「何を言っている、理樹のマンションは週刊誌の記者がウロウロしているんだぞ」

私は黙ったまま荷物の整理を続けた。

理樹さんのマンションに行けるわけがない。

健さんと理樹さんの側にはいられない。

「亜紀、僕と結婚しよう」

「急に何を言い出すんですか」

「理樹の側にいても、亜紀が幸せになれるとは思えない」

「だから出ていくんです」

「どう言う事?」

「理樹さんが愛しているのは真央さんですよね」

「真央?」

真央は理樹の彼女だった女性だ。

そして僕は真央に密かに恋心を抱いていた。
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