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第六章 皮肉な運命

「何がごめんなさいなの?」「僕を好きって嘘?」

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「そんなことはわかってる、でも亜紀のことは諦められない」

「亜紀は僕の事を好きだと言ってくれた、聞こえなかったのか、お前を信じられないとも言っていたんだ」

「だからだよ、お前と一緒に暮らしているなんて我慢ならない」

「僕も亜紀を愛している、祝福してくれてもいいと思うけどな」

「冗談じゃない、俺は諦めない」

俺はその場を離れた。

私はマンションに戻ると、とんでもない事を口にしたと反省した。

どうしよう。

「健さんが好きです、理樹さんは信用出来ません」なんて言ってしまった。

健さんにどんな顔して会えばいいの?

部屋の中をうろうろしていると、ガチャっとドアが開く音がした。

ドアの方に視線を移すと、健さんが立っていた。

「亜紀、ただいま、仕事が終わったから急いで帰って来たよ」

「健さん」

「亜紀」

健さんは両手を広げて、私に近づいて来た。

私は「ごめんなさい」と言いながら後退りした。

「何がごめんなさいなの?」

「えっと……」

「僕を好きって嘘?」
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