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第五章 副社長の溺愛

「忘れ物、確か会議で必要だとか言ってた書類だ」

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「亜紀、どうかしたか」

「いえ、何でもないです」

「じゃ、行ってくるな、理樹に亜紀は辞めたと伝えておくよ、僕のマンションにいることは内緒な」

副社長はウインクをしてニッコリ微笑んだ。

ドキッとして、顔が真っ赤になるのを感じた。
いやだ、私ったら。

「亜紀、顔真っ赤だけど、大丈夫?熱あるんじゃないの?」

そう言って、副社長は私のおでこに手を当てた。

次の瞬間、副社長の顔が急接近して、私のおでこに副社長のおでこをくっつけて来た。

どうしよう。

「亜紀、熱はないみたいだな、もし、具合悪くなったら僕のスマホに連絡して、すぐ帰ってくるから」

「だ、大丈夫です」

私は慌てて副社長から離れた。

「じゃ、行ってきます」

「はい、行ってらっしゃいませ」

副社長は会社に出社した。

私はキッチンを片付けて、テーブルの上の封筒に気づいた。

「忘れ物、確か会議で必要だとか言ってた書類だ」

副社長のスマホに電話をかけたが通じない。

どうしたらいいの?

届ける?
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