お前が愛おしい〜カリスマ美容師の純愛

第七章 玉森廉との恋

俺のわがままで、会社を危機に追い込むことは出来ない。

あれから俺は必死に凛を探した。

凛は金は受け取らないだろう、そう遠くへは行っていないと思うが、凛、何処へ行ったんだ。
凛は自分の事より俺のことを一番に考える。
俺の立場や会社の事を考えて、自分が身を引く結論に達したんだろう。
 
確かに見合いを断れば、取引先との関係はゼロになる。
しかも莫大な違約金が発生する。
俺のわがままで、会社を危機に追い込むことは出来ない。
でも俺は凛以外とは結婚は考えられないんだ。

俺は俺の気持ちを押し通す決心をし、会社の存続も考える旨を役員に申し出た。
しばらく凛を探す為の休みを貰った。
もし、凛が見つからない時は、俺は独身を貫き通すと心に決めた。
いや、絶対に凛を見つける。
 
だが、凛の居場所はわからなかった。
そんな時断った見合い相手が俺の元にやってきた。
実は父親同士が古くからの知り合いで、俺達も小さい頃から二人は結婚するんだと言われて育った。

「廉さん、どう言うつもりですか、父は絶対に許しませんよ」
 
「許してもらおうとは思わない、違約金も払う」
 
「廉さんをそこまでの気持ちにさせる相手の方はどんな女性ですか」
 
「凛は俺のすべてだ、自分の事より俺の事を一番に考える女だ」
 
俺はもう後には引けない覚悟だった。