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第六章 颯との抱擁
廉と付き合っていたのは、十年前になる。 十年ぶりの再会である。
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俺は凛を抱いた。
狂おしい位に愛おしくて堪らなかった。
絶対に手放したくなかった。
限られた時間を凛と過ごしたい、もう、他の事は考えられなかった。
「凛、何処にも行かないで、俺の側にいてくれ」
「大和さん」
「颯って呼んでくれ」
「颯」
「あ~っ、凛、このまま時間が止まってほしい」
その時時刻が七時を刻んでいた。
「颯さん、仕事行く時間は大丈夫ですか?」
「ヤバイ、遅刻だ、これ、部屋の鍵、凛に預けるから、凛がアパートに戻ったら俺、部屋に入れないからな」
「えっ?」
「じゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
「いいな、これから凛が毎日送ってくれて、迎えてくれるんだな、決まりな、アパート解約しちゃえよ」
いやいや、勝手に決めてもらっては困る。
でも取り敢えず今日は、私が颯さんのマンションにいないと、颯さんが入れないんだよね。
買い物行って夕飯の食材買わないと・・・
私はスーパーに買い物に出かける為マンションを出た。
颯さんは何が好きなんだろうか、そんな事を考えて歩いていると「凛」と私を呼ぶ声が聞こえた。
聞き覚えのある声だった。
振り返ると、以前私が付き合っていた元彼、玉森コーポレーション社長 玉森 廉(たまもり れん)三十八歳だった。
廉と付き合っていたのは、十年前になる。
十年ぶりの再会である。
狂おしい位に愛おしくて堪らなかった。
絶対に手放したくなかった。
限られた時間を凛と過ごしたい、もう、他の事は考えられなかった。
「凛、何処にも行かないで、俺の側にいてくれ」
「大和さん」
「颯って呼んでくれ」
「颯」
「あ~っ、凛、このまま時間が止まってほしい」
その時時刻が七時を刻んでいた。
「颯さん、仕事行く時間は大丈夫ですか?」
「ヤバイ、遅刻だ、これ、部屋の鍵、凛に預けるから、凛がアパートに戻ったら俺、部屋に入れないからな」
「えっ?」
「じゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
「いいな、これから凛が毎日送ってくれて、迎えてくれるんだな、決まりな、アパート解約しちゃえよ」
いやいや、勝手に決めてもらっては困る。
でも取り敢えず今日は、私が颯さんのマンションにいないと、颯さんが入れないんだよね。
買い物行って夕飯の食材買わないと・・・
私はスーパーに買い物に出かける為マンションを出た。
颯さんは何が好きなんだろうか、そんな事を考えて歩いていると「凛」と私を呼ぶ声が聞こえた。
聞き覚えのある声だった。
振り返ると、以前私が付き合っていた元彼、玉森コーポレーション社長 玉森 廉(たまもり れん)三十八歳だった。
廉と付き合っていたのは、十年前になる。
十年ぶりの再会である。
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