俺を好きになるな、お前を愛していない、極道の目覚めた独占欲

第九章 目覚めた独占欲

⑧

「それじゃあ、林田は一人でアメリカに行ったのか」

「はい、そのようです」

蓮也はますます大河原と加子の関係を知りたくなった。

蓮也は大河原を訪ねた。

「おお、蓮也、この間のパーティーはどうだった、気に入った女性はいたか」

「はい、会長と一緒にいた女性が欲しいです」

「彼女はパーティーの招待客ではない」

「では、会長とどのようなご関係でしょうか」

大河原は蓮也の敵を見るような眼差しに向き合っていた。

「わしの古くからの知り合いの娘さんだ、最近離婚して、親父さんも他界して、
大変だろうから、わしの元で面倒見ている」

「それは女としてでしょうか」

「なぜそんなに気になるのだ」

「彼女が欲しいからです」

大河原は蓮也の言葉に驚いた。

こいつ、わしと加子ちゃんの関係に嫉妬しおったな。

「加子ちゃんから話は聞いている、お前は加子ちゃんを突き放したんじゃろうが、
今頃、勝手なことを言うんじゃない」

蓮也は一瞬言葉を失った。