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新たなアルベルタへ

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アルベルタはその後も詳しくナターシャから記憶を失う前の自分の事を詳しく聞いた。

アルベルタが公爵夫人となった経緯は、レレント侯爵家はアルベルタの母がアルベルタの幼い頃に亡くなり、その後新しく夫人を娶ったという。

その女性の連れ子であるアーノルドという義理の兄と4人で暮らしていたが、ある日レレント侯爵と夫人は領地へと戻る際に事故に遭い亡くなってしまったという。


アルベルタが公爵夫人となったのは、アルベルタの亡き母の血筋が他国の王族の血を引く事からの王命であるという。


‥王命であれば逆らえないわよね。


『ねえ、ナターシャ?私は貴女たちに意地悪でもしてたの?』


急に不安になり聞いてみると

『いいえ、そのような事はありませんが?』


『それならこの距離感はなに?』



ナターシャは頭を巡らせながら

『そもそも奥様は、私たちとはあまり関わらない方でしたから。』


‥。


『私はどんな生活をしてたのかしら?』


ナターシャはアルベルタをじっと見つめ


『本当に何から何まで覚えてないのですね?奥様はいつも一日中お部屋の中に籠もっていらっしゃいました。』


『は?そんなのおかしくなるじゃない?』


『はい、ですからおかしくなっておられたのではないですか?』


‥。ないですか?って。


『ここの主は?どうしてたのよ?社交などもあるでしょう?』


『まあ、社交界でも公爵夫妻は形ばかりだけのものと周知されておりますから。夜会などは旦那様はいつも誰かしらとご参加になられておりましたもの。』


‥。まぢで?


アルベルタは怒りで血が登るのを感じた。


『ナターシャ、分かった。よ~くわかりました。では私は私で好き勝手に生きて良いのね?』


息巻くアルベルタにナターシャは平然と


『はい、今までもそうでしたから』 

‥。


アルベルタの怒りは沸点を越え逆にいつしか心が軽くなるのを覚えた。






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