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婚約は認められない

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長い沈黙が流れる。

『貴女の目的は果たせたのでしょう?明日のゴシップ記事には皇后が謹慎中に候爵令嬢を連れ出しただの、候爵を罵倒しただのと一面を飾るんでしょうね。』



『知ってて何故?』
ソフィア嬢は肩を落とした。


『だって、私は貴女の本心を聞きたかったから。宮殿では完璧なまでの令嬢ですもの。貴女と本音で話がしたかっただけですわ?』

『ゴシップ記事に書かれても?』


『書かれてもですわ。私はあまり周りをの評価を気にしませんの。背伸びしたところでたかが知れてる。自分の大切な人に理解戴ければ結構ですもの。って、まあ皇后の立場ではそうも言ってられないのもまた事実。困ったものです。しかしそれ以上にワタシには大切な事もがありますの。』


ソフィア嬢は真っ直ぐみつめる。

『貴女がアルフレッドの婚約者として相応しいかどうかですわ。』

ソフィア嬢は軽く笑いながら言う。


『そんな事‥そんなくだらない事で皇后としての立場を危うくなさるのですか?貴女こそ自覚が足りないのでは?人の心配をされている場合ではありませんよ‥』


だんだんと息を吹き返してきたソフィア嬢。

『貴女は‥私の1番嫌いな人種だわ。自分は皇后におさまりながら、かつての婚約者が幸せになるのが嫌なのよ。アルフレッド様を誰にも渡したくないのだわ。

何よ、さっきからアルフレッド、アルフレッドって。彼は私の婚約者なのよ!残念ながらね。世間知らずの王子様だって、本音を言えば皇帝になれず殿下の側近になんてなりたくなかったはず。その上、自分の仕える殿下の妻がよりにもよって元婚約者。こんな喜劇ある?国の笑い者だわ!』


バチーン!



リデュアンネはソフィア嬢の頬を思い切り叩いた。

目を大きく見開くソフィア嬢。

『このっ!誰に向かって!お前こそ身の程を知れ!』

ソフィア嬢は駆け寄り拳を突き出した。リデュアンネの細い身体は入口まで飛ばされた。肩で息をするソフィア嬢に突き飛ばされたリデュアンネは静かに口を開く。


『貴女とアルの結婚なんて‥認められない』



『お前に認められなくとも結構!』 
ソフィア嬢はリデュアンネを見下ろし方足を後ろに勢いよく引いた所で扉が開いた。




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