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積もった恨み

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テラスに出ると奥の薔薇園がライトアップされている。この薔薇園の管理はかつて婚約者である私が管理していた。

設計から携わり完成の際には私のデザインしたプレートが掲げられた。そしてそのプレートは対になっており、アルフレッド殿下瞳のアイス・ブルーと私の瞳の薄いブラウンの2色で成る薔薇を形どったものであった。

懐かしく思って眺めていると、芝生の隅にそのプレートが見えた。

不思議に思って拾い挙げると、薄いブラウンの薔薇の半分が無惨にも黒いペンキを掛けられいる。余りの酷さに顔を歪める‥がこれが無いと管理の者が困るであろう。これは閉園の際鍵の役割もしている。

仕方なく薔薇園の門に掛けに向うと、後ろから柔らかい布を嗅がされ私は‥
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