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彼女の生活
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香奈と僕が一夜を過ごした朝。
「おはよう。」
僕が目を覚ますと彼女は隣で僕の事を見ていた。
「おはよう。」
今でも夜の事が信じられない自分がいた。
「何か作ろうか?」
彼女が布団から出て起き上がると綺麗な肌が露わになった。
本当にしてしまったんだ。
嬉しい気持ちと何とも言えない複雑な気持ちになった。
「昨日は…ありがとう。」
何故か僕は彼女にお礼を言った。
「クスッ。何それ?」
キッチンにいる彼女が笑っている。
何とも幸せな気持ちになり後ろから彼女に抱きついた。
「良かったら付き合って欲しい…。」
自分の気持ちを素直にぶつけていた。
「私でいいの?面倒臭いよ?」
一瞬彼女の言っている事が理解出来なかったが、彼女を強く抱きしめながら伝えた。
「香奈が好きだ。」
彼女を押し倒し夢中に求めた。
「学校行く準備しよ。」
お風呂に向かう彼女の後ろ姿を見ながら幸せな気持ちに浸っていた。
準備が終わり二人で学校に向かう。
昨日までの景色と同じ筈だが違う景色の様に感じた。
「今日一緒に帰る?」
彼女と過ごしたい気持ちが溢れていた僕は問いかけた。
「…。ごめん今日は予定がある。」
期待していた言葉とは真逆の言葉が返ってきた。
「そっか。ならしょうがないね。」
重い空気のまま学校に着いた。
給食の時間になり彼女は同じクラスの子達と仲良く喋っていた。
その姿を眺めていた時だった。
「お前あいつと付き合ってんの?」
いきなり後ろから声を掛けられてドキッとした。
振り返るとバイクに乗って通学していた拓実だった。
「今日朝一緒に来てただろ?」
通学してた所を見られていたらしい。
「うん。付き合ってるよ。」
少しビビりながら答えた。
「あの女男慣れしてるだろ?」
ムカついた。
「お前に関係ないだろ。」
頭に血が昇り言い返していた。
「図星だな。せいぜい頑張れよ。」
拓実は教室を出て行った。
自分の席に座り香奈の事を考える。
確かに学校の帰りに駅前で、知らない車に乗り込み何処かに行くのを見かけた。
彼女の事を全然知らない自分が嫌になっていた。
そして学校も終わり帰る時間になった。
香奈は友達と駅に向かって歩いていた。
「付き合ったのに一緒に帰らねえのか。」
拓実に声を掛けられた。
「うるせえ。」
不貞腐れて帰ろうとした。
「駅まで送ってやるよ。」
拓実の口から予想外のセリフを掛けられた。
普段なら断るのだが香奈とも帰れない寂しさもありお願いした。
「じゃあ頼むわ。」
なんでこいつは、俺に絡んでくるのだろうか?
などを考えながら拓実のバイクに向かい歩く。
「お前に言いづらいんだけどさ。」
「なんだよ。」
「昨日お前の彼女車乗ってホテルに入ってたぞ」
何を言っているのかわからなかった。
「何適当な事言ってんだよ。」
僕は拓実の首根っこを持ち言い寄った。
「痛てーな。離せよ。」
拓実の腕力で無理矢理離された。
「昨日の帰り道に信号待ちしてたら隣にいたんだよ。」
「そのまま十六号沿いのホテルに入っていったんだよ。」
信じたくなかった。
昨日の夜の事はなんだったのだろう。
今朝の幸せな光景はなんだったのか。
頭の中で整理が出来なかった。
「駅まで送ってくれ。」
拓実に向かって声を掛けた。
「ああ。」
彼の後ろに乗り込み駅に向かう。
「なんかワリィ。」
拓実が信号待ちをしている中言った。
「いや、話してくれてありがとう。」
学校から駅までは歩いて10分程だがバイクでは凄く早かった。
駅まで着き降りようとした時だった。
「おい!あれ見ろ。」
「あっ?」
拓実が指を刺した方向を見ると彼女の姿があった。
白のセダンに乗り込もうとしていた。
「哲人乗れ!追っかけるぞ!」
「おっ。おう!」
変な展開になってしまった。
彼女が乗る車を追いかけている。
「浮気の証拠だな。」
拓実の中では一つのイベントみたいなものだろう。
「彼女を知れるならそれでいい。」
拓実の背中を眺めながら僕は答えた。
五分程走っただろうか?
「おい。入っていくぞ!」
「ホテルの隣がコンビニだからそこ入ろうか。」
「お前問い詰めなくていいのか?」
「問い詰めるのは終わってからでも出来る。」
「チッ。なんかやけに冷静だな。」
「コーヒー買ってくる。」
実際驚く程冷静な自分がいた。
恐らく一時間程で出てくる様な予感がしていた。
「ほい。コーヒー。」
「サンキュー。ってか終わるまで待つのか?」
拓実が煙草に火を点けて渡したコーヒーをひと口飲んだ。
「一時間だけ付き合ってくれ。それで出なかったら帰る。」
拓実が不思議そうに見ていた。
「まぁ付き合ってやるよ。」
二人で煙草を吸いながら時間が過ぎるのを待った。
「バイク乗ったの初めてだった。」
「ぷっ!マジかよ。全然そんな感じしなかったな。」
陽が暮れる中男二人でホテルの明かりを眺めていた。
「おはよう。」
僕が目を覚ますと彼女は隣で僕の事を見ていた。
「おはよう。」
今でも夜の事が信じられない自分がいた。
「何か作ろうか?」
彼女が布団から出て起き上がると綺麗な肌が露わになった。
本当にしてしまったんだ。
嬉しい気持ちと何とも言えない複雑な気持ちになった。
「昨日は…ありがとう。」
何故か僕は彼女にお礼を言った。
「クスッ。何それ?」
キッチンにいる彼女が笑っている。
何とも幸せな気持ちになり後ろから彼女に抱きついた。
「良かったら付き合って欲しい…。」
自分の気持ちを素直にぶつけていた。
「私でいいの?面倒臭いよ?」
一瞬彼女の言っている事が理解出来なかったが、彼女を強く抱きしめながら伝えた。
「香奈が好きだ。」
彼女を押し倒し夢中に求めた。
「学校行く準備しよ。」
お風呂に向かう彼女の後ろ姿を見ながら幸せな気持ちに浸っていた。
準備が終わり二人で学校に向かう。
昨日までの景色と同じ筈だが違う景色の様に感じた。
「今日一緒に帰る?」
彼女と過ごしたい気持ちが溢れていた僕は問いかけた。
「…。ごめん今日は予定がある。」
期待していた言葉とは真逆の言葉が返ってきた。
「そっか。ならしょうがないね。」
重い空気のまま学校に着いた。
給食の時間になり彼女は同じクラスの子達と仲良く喋っていた。
その姿を眺めていた時だった。
「お前あいつと付き合ってんの?」
いきなり後ろから声を掛けられてドキッとした。
振り返るとバイクに乗って通学していた拓実だった。
「今日朝一緒に来てただろ?」
通学してた所を見られていたらしい。
「うん。付き合ってるよ。」
少しビビりながら答えた。
「あの女男慣れしてるだろ?」
ムカついた。
「お前に関係ないだろ。」
頭に血が昇り言い返していた。
「図星だな。せいぜい頑張れよ。」
拓実は教室を出て行った。
自分の席に座り香奈の事を考える。
確かに学校の帰りに駅前で、知らない車に乗り込み何処かに行くのを見かけた。
彼女の事を全然知らない自分が嫌になっていた。
そして学校も終わり帰る時間になった。
香奈は友達と駅に向かって歩いていた。
「付き合ったのに一緒に帰らねえのか。」
拓実に声を掛けられた。
「うるせえ。」
不貞腐れて帰ろうとした。
「駅まで送ってやるよ。」
拓実の口から予想外のセリフを掛けられた。
普段なら断るのだが香奈とも帰れない寂しさもありお願いした。
「じゃあ頼むわ。」
なんでこいつは、俺に絡んでくるのだろうか?
などを考えながら拓実のバイクに向かい歩く。
「お前に言いづらいんだけどさ。」
「なんだよ。」
「昨日お前の彼女車乗ってホテルに入ってたぞ」
何を言っているのかわからなかった。
「何適当な事言ってんだよ。」
僕は拓実の首根っこを持ち言い寄った。
「痛てーな。離せよ。」
拓実の腕力で無理矢理離された。
「昨日の帰り道に信号待ちしてたら隣にいたんだよ。」
「そのまま十六号沿いのホテルに入っていったんだよ。」
信じたくなかった。
昨日の夜の事はなんだったのだろう。
今朝の幸せな光景はなんだったのか。
頭の中で整理が出来なかった。
「駅まで送ってくれ。」
拓実に向かって声を掛けた。
「ああ。」
彼の後ろに乗り込み駅に向かう。
「なんかワリィ。」
拓実が信号待ちをしている中言った。
「いや、話してくれてありがとう。」
学校から駅までは歩いて10分程だがバイクでは凄く早かった。
駅まで着き降りようとした時だった。
「おい!あれ見ろ。」
「あっ?」
拓実が指を刺した方向を見ると彼女の姿があった。
白のセダンに乗り込もうとしていた。
「哲人乗れ!追っかけるぞ!」
「おっ。おう!」
変な展開になってしまった。
彼女が乗る車を追いかけている。
「浮気の証拠だな。」
拓実の中では一つのイベントみたいなものだろう。
「彼女を知れるならそれでいい。」
拓実の背中を眺めながら僕は答えた。
五分程走っただろうか?
「おい。入っていくぞ!」
「ホテルの隣がコンビニだからそこ入ろうか。」
「お前問い詰めなくていいのか?」
「問い詰めるのは終わってからでも出来る。」
「チッ。なんかやけに冷静だな。」
「コーヒー買ってくる。」
実際驚く程冷静な自分がいた。
恐らく一時間程で出てくる様な予感がしていた。
「ほい。コーヒー。」
「サンキュー。ってか終わるまで待つのか?」
拓実が煙草に火を点けて渡したコーヒーをひと口飲んだ。
「一時間だけ付き合ってくれ。それで出なかったら帰る。」
拓実が不思議そうに見ていた。
「まぁ付き合ってやるよ。」
二人で煙草を吸いながら時間が過ぎるのを待った。
「バイク乗ったの初めてだった。」
「ぷっ!マジかよ。全然そんな感じしなかったな。」
陽が暮れる中男二人でホテルの明かりを眺めていた。
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