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【二人目・二葉 兵固】

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「まずは生中は当然よね!それに刺身の盛り合わせ、唐揚げとフライドポテト。それに焼き鳥とトマトサラダ。えっと~~~~」
「俺は、だし巻き玉子にエビのフリット。それと蛸わさに餃子かな」
「おお、良いチョイスね!ちょっとそこの格好いい男の子!!」
姉さんが変な言い回しで店員を呼ぶと自称「イケメンたち」が注文を取りに来てくれた。
ま、自称でもなんでも『格好いい』または『可愛い』が適切な子達だったことにおじさんちょっとジェラシー感じたよ?

「このゲームの運営会社、俺たちの会社に敵対心持っている企業ですね」
「ん?そうなん?私そこら辺気にせず購入するからな~」
「俺も。最近はゲーム参入どこでもできるようになってますから、一々調べられませんしね~。作品名や広告の謎ポップだけに惹かれて買っちゃいますし」
「ほんと、それ!」
で、持ってきていたタブレットを立たせて姉さんに見えるようにすると、姉さんは見たい所を勝手にクリックしていく。
「ふ~~~ん、ここの企業の社長ってうちの社長と同じ大学出ているのね。すごいわね~~~」
「あ、本当だ!学部は違うようだけど。だから敵対心がすんごいのか?」
「そうかもね~~~。でもうちの社長全く気にしてないわよね?敵とも思ってないようだし」
「てか、比べるほどのもんではないと考えてそうだな」
「あ、あの人ならね~~。そうかもね。女性にも興味なさそうだものね。超イケメンでハイスペックなのに」
そうなのだ、俺の会社の社長は超ハイスペックなのだ。
決して馬鹿にするわけではないのだが、俺の妹が「オメガバース」という世界観の物語に嵌まっていて、何故か同居している時、強制的に読まされた。しかも俺と同じ男と男の恋愛物ばかり。
妹が腐女子と知ったのはそれからで、姉さんの『腐j女子』発言もすんなりと受け入れられた。
既に耐性が出来上がっていたからな。
で、話を戻すがその「オメガバース」の世界に存在する悲劇の主人公「Ω」の番で、「α」の中でも絶対的王者の「α」が俺の会社の社長のような人だ。
女には困らない容姿にハイソサエティなお方。
俺の様な者は相手にしないし、存在すら知ろうとはしないお方で間違いはない。
「『運営側』の社長って信頼ないのかしら?」
「え?」
どういう意味だろうか?
信頼があるからこそゲーム制作に乗り出せているのではないのか?
ゲーム制作は一筋縄ではいかない。
キャラデザやもちろんプログラミング、広告に宣伝、多岐にわたる職種が必要なのだ。
だからこそ、信頼を勝ち得ていないと立ち上げられないのが『制作』だと俺は思っていたのだが。
「だって、『ポリス』があのザマよ?『雇用体系』と言っておいて、本当は信頼がないから『外部』に頼っているんじゃないかしら?」
「???????」
「まだわかんないの?お粗末過ぎんのよ、『ポリス』の役目が」
「あっ!」
「わかったかしら?本物の『運営のポリス』なら私の行動を待たずして、強制的にプレイヤー殺しを排除出来たって事。しかし、今日のポリスの行動は『私たちが倒したから出てきた』で間違いないわ。ということは『強制排除』の仕方を知らないのよ。だから私たちが倒すまで静観していたのよ」
「俺たちはまんまと『ポリス』の思惑に嵌まったってことか?」
「そうね~~~でも、あの時止めておかないと他のプレイヤーが再ログインしなくなると思ったから、私倒しちゃったんだけど?」
ビールをグビグビ飲みながら首を傾げても全く可愛くありませんが。
しかも、左手は「軟骨」という部位の焼き鳥を掴んでいる。
全く可愛くねーーーーーよっ!!!
ただし、姉さんの観察眼には恐れ入った。
既に『運営』を外から見ているのだ。
「とりあえず、あんたは今日の『運営』に対して掲示板に呟いててよ」
「うっす」
「それからあっちがどう動くかね?」
にやりと嗤う姉さんは何か思惑があるのだろうか?
結構自信満々なようだけど。
「ん?そんなのないわよ?世間の目がどうなるか考えてただけよ」
はい、そうですか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ということで、


「お姉さん!生中追加ね!!」
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