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【二人目・二葉 兵固】
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翌日ログインすると既にビール片手に寛いでいる姉さんがいらっしゃいました。
「遅れてすんません・・・・・・・・」
「ん?まだ待ち合わせ時刻じゃないでしょ?私ちょっとこっちのメニューを調べておきたくて少しだけ早くインしたのよ」
「あ~~メニューね・・・・・・・・」
目の前には朝から食べるには胃に痛そうな食事がズラリ。
つかさ、
「昨日焼き鳥食ったばっかじゃん」
「焼き鳥大好物なのよ~軟骨、ぼんじりが私の好物よ!」
「ソウデスネキノウソレバカリクッテマシタネ」
「何で棒読みなのよ!それよりさっさと座りなさいな。あんたも一杯呑んで、気分を上げてから討伐行くわよ!」
「アイアイサー!!」
「で、ここがレベル上げする森ね?何か『ぎゃー』とか『わー』とか『助けてー』とか言う悲鳴多くない?」
「・・・・・・・・俺もそう思う。そんなにレベルの高くない森のはずなんだけど?」
「ということは、レベルが相応じゃないプレイヤーが挑んだってことかしら?」
「そうとしか考えられないよな」
と、応えるも異常な程怒号や悲鳴が森の奥から聞こえてくる。
実際俺たちと同じように森に入ろうとしていたパーティは、ドップリと汗を垂らして逃げ帰った。
マジでこれ異常事態な気がするので、姉さんに相談しようとしたのだが、横にいたはずの彼女はいなくて、スタスタと既に森に入っているではないか。
「ちょっ!姉さん!!」
慌てて俺も追いかけると、ガラリと空気が変わった。
レベルの低い森にしては異常な空気。
『毒』が混じっている。
耐性レベルが低いながらも俺と姉さんは『毒耐性』を身につけていて良かった。
『めんどいのが毒よね~~。何で稼いだ金でスキル買いましょうよ?』
『確かにな。身につけておけば楽にダンジョンとか行けるし。森で耐性レベル上げれるなら上げてからダンジョンだな』
『それね!口布するのはアサシンとしては当然なんだけど、耐性付けておく方が絶対だしね』
という会話を以前し、その時丁度スキルショップがあったのでそれを購入したのだ。
そんなに高くなかったし。
『毒耐性スキル』は序盤で勝手に手に入るのだが、勝手に手に入ってからレベル上げすると時間がかかるので、安くて実用性があるスキルはその時一緒に購入した。
『状態異常解除』『ヒール』『ガード』の3つだ。
しかし、状態異常やヒールは「神官」か「ヒーラー」の仕事で『ガード』は重騎士などの主要スキルなのだ。
だから、違う職がそれを手にすればレベル上げをするのに苦労するのだ。
職相応のスキルでないと、倍の時間と努力がかかる。だからこそ、初期設定の時に購入したのだ。
ま、それはいいとして、
「ヒョウゴ、口布下がってるわよ。まだまだ耐性レベル上がってないんだからしっかりしてちょうだい」
「すまねー姉さん」
指摘されたとおり俺は少し迂闊すぎたわ。だが、
「気配がするぜ、人間じゃないのが」
「ええ、気配はわかってたけど人間ないの?」
「ああ、これは・・・・・・・・・・・スライムぅぅぅっ!?」
ピョコンと現われたのはスライム軍勢だった。
「か、か、か、かわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!」
その軍勢を見ても全く怖じ気づくことなく異様な言葉を放つ姉さん。
やっぱりただ者じゃねーよ。
「ね~~仲間にしていいの、スライム?」
「へ?いや、あんたテーマ-じゃねーから無理だろう?」
「えええええええええええええっ!こんな可愛いのに!ね、スライムちゃん?」
ニコ~~と笑っているがスライムには怖かったのかブルルと震えて逃げ、あ、姉さんの後ろに隠れた。
スライムがいた場所にはこの森には出るはずのないコボルトが血まみれで現われて、倒れた。
異様な光景が広がる中、ずしりずしりと地響きをしながら俺たちに何かが近づいてくる。
俺たちは姿を消して隠れるとなんと人間を引きずったオークキングが現われたではないか。
こんな森には存在しないレベル。
オークキングは大体ランク80~90のダンジョンまたは森に生息しているはず。
俺たちがいるようなランク30~40の森に出てはならないモノだ。
運営がランクの変更を告知もなく勝手にしたのだろうか?
そうであるならば先ほど聞こえてきた悲鳴などはこいつがもたらしたもので間違いない。
これでプレイヤーは減ること必至だ。
しかし気になることがある。
オークキングはこのゲームのモンスターだから死体は血を残さずプレイヤーはログアウトされるはずなのに、されていない状況。
だが、息はしていない・・・・・・・・・。
なんだ、この状況はっ!?
「遅れてすんません・・・・・・・・」
「ん?まだ待ち合わせ時刻じゃないでしょ?私ちょっとこっちのメニューを調べておきたくて少しだけ早くインしたのよ」
「あ~~メニューね・・・・・・・・」
目の前には朝から食べるには胃に痛そうな食事がズラリ。
つかさ、
「昨日焼き鳥食ったばっかじゃん」
「焼き鳥大好物なのよ~軟骨、ぼんじりが私の好物よ!」
「ソウデスネキノウソレバカリクッテマシタネ」
「何で棒読みなのよ!それよりさっさと座りなさいな。あんたも一杯呑んで、気分を上げてから討伐行くわよ!」
「アイアイサー!!」
「で、ここがレベル上げする森ね?何か『ぎゃー』とか『わー』とか『助けてー』とか言う悲鳴多くない?」
「・・・・・・・・俺もそう思う。そんなにレベルの高くない森のはずなんだけど?」
「ということは、レベルが相応じゃないプレイヤーが挑んだってことかしら?」
「そうとしか考えられないよな」
と、応えるも異常な程怒号や悲鳴が森の奥から聞こえてくる。
実際俺たちと同じように森に入ろうとしていたパーティは、ドップリと汗を垂らして逃げ帰った。
マジでこれ異常事態な気がするので、姉さんに相談しようとしたのだが、横にいたはずの彼女はいなくて、スタスタと既に森に入っているではないか。
「ちょっ!姉さん!!」
慌てて俺も追いかけると、ガラリと空気が変わった。
レベルの低い森にしては異常な空気。
『毒』が混じっている。
耐性レベルが低いながらも俺と姉さんは『毒耐性』を身につけていて良かった。
『めんどいのが毒よね~~。何で稼いだ金でスキル買いましょうよ?』
『確かにな。身につけておけば楽にダンジョンとか行けるし。森で耐性レベル上げれるなら上げてからダンジョンだな』
『それね!口布するのはアサシンとしては当然なんだけど、耐性付けておく方が絶対だしね』
という会話を以前し、その時丁度スキルショップがあったのでそれを購入したのだ。
そんなに高くなかったし。
『毒耐性スキル』は序盤で勝手に手に入るのだが、勝手に手に入ってからレベル上げすると時間がかかるので、安くて実用性があるスキルはその時一緒に購入した。
『状態異常解除』『ヒール』『ガード』の3つだ。
しかし、状態異常やヒールは「神官」か「ヒーラー」の仕事で『ガード』は重騎士などの主要スキルなのだ。
だから、違う職がそれを手にすればレベル上げをするのに苦労するのだ。
職相応のスキルでないと、倍の時間と努力がかかる。だからこそ、初期設定の時に購入したのだ。
ま、それはいいとして、
「ヒョウゴ、口布下がってるわよ。まだまだ耐性レベル上がってないんだからしっかりしてちょうだい」
「すまねー姉さん」
指摘されたとおり俺は少し迂闊すぎたわ。だが、
「気配がするぜ、人間じゃないのが」
「ええ、気配はわかってたけど人間ないの?」
「ああ、これは・・・・・・・・・・・スライムぅぅぅっ!?」
ピョコンと現われたのはスライム軍勢だった。
「か、か、か、かわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!」
その軍勢を見ても全く怖じ気づくことなく異様な言葉を放つ姉さん。
やっぱりただ者じゃねーよ。
「ね~~仲間にしていいの、スライム?」
「へ?いや、あんたテーマ-じゃねーから無理だろう?」
「えええええええええええええっ!こんな可愛いのに!ね、スライムちゃん?」
ニコ~~と笑っているがスライムには怖かったのかブルルと震えて逃げ、あ、姉さんの後ろに隠れた。
スライムがいた場所にはこの森には出るはずのないコボルトが血まみれで現われて、倒れた。
異様な光景が広がる中、ずしりずしりと地響きをしながら俺たちに何かが近づいてくる。
俺たちは姿を消して隠れるとなんと人間を引きずったオークキングが現われたではないか。
こんな森には存在しないレベル。
オークキングは大体ランク80~90のダンジョンまたは森に生息しているはず。
俺たちがいるようなランク30~40の森に出てはならないモノだ。
運営がランクの変更を告知もなく勝手にしたのだろうか?
そうであるならば先ほど聞こえてきた悲鳴などはこいつがもたらしたもので間違いない。
これでプレイヤーは減ること必至だ。
しかし気になることがある。
オークキングはこのゲームのモンスターだから死体は血を残さずプレイヤーはログアウトされるはずなのに、されていない状況。
だが、息はしていない・・・・・・・・・。
なんだ、この状況はっ!?
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