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第四章

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「つまらないわ~~~綺麗な殿下たちがそんなくっだらない事に巻き込まれてるなんて~~~」
「菖蒲の言うとおりだな。ジオルド、ジルフォードには『思惑』なんてそもそもない」
「あれたちは兄が大好きだからな~。見ててもわかるくらいにな」
「兄だけじゃない、姉も陛下も母も、それに他の妃も愛している」
「甘ったれなだけじゃんそれっ!」
はっはっは、と笑う俺たちにエリアス達たちは戸惑うばかりで・・・・・。

「つまり兄たちは弟たちに劣等感を抱いているが、弟は全く気にしてなくてそもそも『兄様大好き~~』なんだから、兄たちから地位や権力なんて奪わないし、興味も無い。奪うなんて考えも思いつかないだろうよ」

この答えが正解だ。間違えであるはずがないのだ。あの二人にとってはな。

「第一・第二殿下の焦りも少しは理解してくれよ、スイレン団長。ほとんど『君』の功績なんだからな」
「はっ!たまたま俺がお前らより『強く』て『経験値豊か』で『物怖じせず』、『グロいのも何のその』な人間なだけだ。ま、本人が認める『規格外』だけどな」
「最後の言葉が重要なんだけどな・・・・・・。ま、スイレンがこ~~~んな性格でよかったよ。『王妃』を望んだ君なんて俺たちに『価値』はないからな」
「『王妃』???そんな面倒いのになるわけね~~だろ?それに俺は『ひ・と・ご・ろ・し』の『人間兵器』だ。上に立つ人間じゃねーよ」
「はは、本当に君は欲がないというか、あっさりしているというか・・・・・・・」
エリアスが話し笑い終わると、一つ息を吐き
「スイレン団長、第三王子ジオルド殿下を王太子に政り上げようとする貴族が多数出てきている。第一王子側の者が何をするか判らない状況だ。気をつけてくれ」
「了解!!!!俺に危害を加えようと考えるバカはこの国にいないと思っておくよ」
「『いない』とは思うんだがな、君のあの力量からはな・・・・・・・」
「で、『いた』としたらそいつら『殺して』いいのか?」
「っ!!!それは駄目だ!」
「何で?第三・第四の『正妃』に危害を加えようとしたんだぞ?それを黙認しろって事か?」
「いやいやいやいやいや!殺すのは駄目だ!拘束して、そこは陛下に判断を仰ごう!!」
「ふ~~ん、生優しい判断だな。俺の生業じゃ~『生きてない』ぞ?」
「っ!!き、みは・・・・・・・兎に角!こちらの世界に従ってくれ!大事にすると、第三・第四殿下に陛下より雷が落ちるぞ?」
「あっ!それはごめんだな。仕方ね~~な、大人しく拘束するか!」
「それもおかしいからな、本来。でも、そうしてくれ」
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