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第四章
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「オーガスト、キュリアス、お前たちは『話し合い』という場を理解していないのか?弟に『圧』をかけてどうする。ほら見ろ。スイレン団長の表情が少し『怒り』を滲ませている」
よく見てんな~この親父。
表情を出さないのに長けていると自負しているのに、何故わかった?
「ははは、君は確かに上手く表情を隠しているが、儂には到底通用せんぞ?何せ食わせ物の淑女や貴族などをた~~~くさん見てきて、経験しているからな」
確かに!王とうはそういう者だったわ。
「お見それ致しました。感服でございます」
綺麗な礼で頭を下げる。
この部屋に入ってきて初めての『まとも』な言葉と動きだ。
口の中が張り付いているし、身体はカッチカチになってたけど動かせた。
よかった~~。
「さて、此度の件だが、キュリアスには『荷が重い』だろう。今この場で理解した。お前は人の話を聞かなさすぎる。オーガスト、お前もだ。圧力で屈してそれが何になる?お前はアーダルリアでも話し合いではなく『圧力』をかけるつもりか?」
「あ、いえ、父上。そのようなつもりはなく・・・・・・・・」
「では、何故弟に『圧』をかけた??」
「っ!!!それは・・・・・・・先ほども述べたとおり弟に対しての『焦り』があるからでしょうか。無自覚に弟を敵対視していたのかもしれません」
「うむ、それは自覚できたのだな?」
「はい、お恥ずかしいことです」
「自覚したのは良いことだ。だが、その『焦り』が遠征までになくなることはなかろう。ならば命ずる!此度の遠征はキュリアス率いる第二騎士団および第四騎士団団長スイレン及び副団長アシュレイだ。第三王子ジオルド及び第四王子ジルフォードが行くことは許さん。フィルハートの護りが少なくなるのはよくないからな」
「「「はっ!了解し致しました!!!」」」
「異世界の第四騎士団員はスイレン団長の意志に従って欲しい。失礼な言い方だと思うが君たちは『個』でも『兵器』だ。わしらが口出しできるような人物ではない。これで良いだろうか?」
「はい、申し分ない采配でございます、陛下」
この決定に、この部屋にいた全ての者が了解の意を伝えたのだった。
よく見てんな~この親父。
表情を出さないのに長けていると自負しているのに、何故わかった?
「ははは、君は確かに上手く表情を隠しているが、儂には到底通用せんぞ?何せ食わせ物の淑女や貴族などをた~~~くさん見てきて、経験しているからな」
確かに!王とうはそういう者だったわ。
「お見それ致しました。感服でございます」
綺麗な礼で頭を下げる。
この部屋に入ってきて初めての『まとも』な言葉と動きだ。
口の中が張り付いているし、身体はカッチカチになってたけど動かせた。
よかった~~。
「さて、此度の件だが、キュリアスには『荷が重い』だろう。今この場で理解した。お前は人の話を聞かなさすぎる。オーガスト、お前もだ。圧力で屈してそれが何になる?お前はアーダルリアでも話し合いではなく『圧力』をかけるつもりか?」
「あ、いえ、父上。そのようなつもりはなく・・・・・・・・」
「では、何故弟に『圧』をかけた??」
「っ!!!それは・・・・・・・先ほども述べたとおり弟に対しての『焦り』があるからでしょうか。無自覚に弟を敵対視していたのかもしれません」
「うむ、それは自覚できたのだな?」
「はい、お恥ずかしいことです」
「自覚したのは良いことだ。だが、その『焦り』が遠征までになくなることはなかろう。ならば命ずる!此度の遠征はキュリアス率いる第二騎士団および第四騎士団団長スイレン及び副団長アシュレイだ。第三王子ジオルド及び第四王子ジルフォードが行くことは許さん。フィルハートの護りが少なくなるのはよくないからな」
「「「はっ!了解し致しました!!!」」」
「異世界の第四騎士団員はスイレン団長の意志に従って欲しい。失礼な言い方だと思うが君たちは『個』でも『兵器』だ。わしらが口出しできるような人物ではない。これで良いだろうか?」
「はい、申し分ない采配でございます、陛下」
この決定に、この部屋にいた全ての者が了解の意を伝えたのだった。
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