不運が招く人間兵器の異世界生活

紫苑

文字の大きさ
上 下
208 / 227
第四章

23

しおりを挟む
「陛下、兄上遅くなり申し訳ありません」
ジオルド達が豪華な食卓の間に着くと、既に食事が始っており、陛下も両殿下もワインを飲んでいるではないか。
「よい、ジオルド、ジルフォード。楽にしろ。ここはもう信頼できる部下と家族だけだ。畏まらなくて良い」
「はい、では父上。今日は魚料理なのですね」
「それに白ワインなんて珍しいですね」
確かに白づくしの料理たちだ。アーダルリアでもないのに。
「あんな光景を見た後に肉なんて食えるか。それにたまには白身魚も食したかったしな」
「そうそう!お前達が言っていただろう?ホルシオに新婚旅行に行った際にスイレン団長が作った魚料理が美味かったって!その料理を頼んでみたんだよ」
「スイレン団長が料理人に教えてくれててよかったよ!こんな絶品料理があるなんて初めて知った!」
確かにアクアパッツァにタコのマリネ、海鮮パエリアが並んではいるが、
「刺身がない・・・・・・・・」
俺が呟いた小さなこの言葉は陛下に届いてしまって、
「サシミ??それは何だ???」
「え、あっ!本当だ!あれは本当に美味かったのに!」
ジルフォードは本当に残念がっており、俺に向かって「今度また作ってよ」と。
「もちろん良いですよ。しかし、新鮮な魚介類が必要ですので」
「そうだったね。ホルシオからここまではかなりの時間がかかる。王族専用の転移石を用いても良いが、その為だけにね~~~」
「待て、ジオルド!良いこと思いついたぞ!確かレインとレイフォードの合わせ技で「氷」が作れたはずだ!それなら遠方からでも新鮮なまま運んでこれるのでは!?」
「っ!!そうか!その手があったか!!落ち着いたら挑戦してみるか。それまで父上たちは楽しみに待っててください」
二人で完結させてしまったけど結局の所、
「だから『サシミ』とはなんぞや?」
であるからして~~~~。

「ほ~~生魚を「ショウユ」というタレで食すのか。生臭くないのか??」
「父上、ツーンとくる辛い「ワサビ」という香辛料も少しその魚に乗せて食べるので、臭みは全く感じないですよ」
「そうなのか。スイレンの国の食は本当に豊かなのだな」
うんうん、と頷き納得している様子ですがそんな話をするためにここにいるわけではありませんよね???
「さっさと本題に入りやがれ」
本心が口を突いて出てきても、誰も咎めません。
何せ王族以外の護衛騎士は皆心から思っていたことでございましょうからね。
その言葉で漸く本題に話が戻り・・・・・・・
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

泣き虫な俺と泣かせたいお前

ことわ子
BL
大学生の八次直生(やつぎすなお)と伊場凛乃介(いばりんのすけ)は幼馴染で腐れ縁。 アパートも隣同士で同じ大学に通っている。 直生にはある秘密があり、嫌々ながらも凛乃介を頼る日々を送っていた。 そんなある日、直生は凛乃介のある現場に遭遇する。

若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!

古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。 そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は? *カクヨム様で先行掲載しております

BlueRose

雨衣
BL
学園の人気者が集まる生徒会 しかし、その会計である直紘は前髪が長くメガネをかけており、あまり目立つとは言えない容姿をしていた。 その直紘には色々なウワサがあり…? アンチ王道気味です。 加筆&修正しました。 話思いついたら追加します。

異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~

夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。 しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。 とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。 エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。 スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。 *小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

スキルも魔力もないけど異世界転移しました

書鈴 夏(ショベルカー)
BL
なんとかなれ!!!!!!!!! 入社四日目の新卒である菅原悠斗は通勤途中、車に轢かれそうになる。 死を覚悟したその次の瞬間、目の前には草原が広がっていた。これが俗に言う異世界転移なのだ——そう悟った悠斗は絶望を感じながらも、これから待ち受けるチートやハーレムを期待に掲げ、近くの村へと辿り着く。 そこで知らされたのは、彼には魔力はおろかスキルも全く無い──物語の主人公には程遠い存在ということだった。 「異世界転生……いや、転移って言うんですっけ。よくあるチーレムってやつにはならなかったけど、良い友だちが沢山できたからほんっと恵まれてるんですよ、俺!」 「友人のわりに全員お前に向けてる目おかしくないか?」 チートは無いけどなんやかんや人柄とかで、知り合った異世界人からいい感じに重めの友情とか愛を向けられる主人公の話が書けたらと思っています。冒険よりは、心を繋いでいく話が書きたいです。 「何って……友だちになりたいだけだが?」な受けが好きです。 6/30 一度完結しました。続きが書け次第、番外編として更新していけたらと思います。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

【連載】異世界でのんびり食堂経営

茜カナコ
BL
異世界に飛ばされた健(たける)と大翔(ひろと)の、食堂経営スローライフ。

処理中です...