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第四章

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「陛下、兄上遅くなり申し訳ありません」
ジオルド達が豪華な食卓の間に着くと、既に食事が始っており、陛下も両殿下もワインを飲んでいるではないか。
「よい、ジオルド、ジルフォード。楽にしろ。ここはもう信頼できる部下と家族だけだ。畏まらなくて良い」
「はい、では父上。今日は魚料理なのですね」
「それに白ワインなんて珍しいですね」
確かに白づくしの料理たちだ。アーダルリアでもないのに。
「あんな光景を見た後に肉なんて食えるか。それにたまには白身魚も食したかったしな」
「そうそう!お前達が言っていただろう?ホルシオに新婚旅行に行った際にスイレン団長が作った魚料理が美味かったって!その料理を頼んでみたんだよ」
「スイレン団長が料理人に教えてくれててよかったよ!こんな絶品料理があるなんて初めて知った!」
確かにアクアパッツァにタコのマリネ、海鮮パエリアが並んではいるが、
「刺身がない・・・・・・・・」
俺が呟いた小さなこの言葉は陛下に届いてしまって、
「サシミ??それは何だ???」
「え、あっ!本当だ!あれは本当に美味かったのに!」
ジルフォードは本当に残念がっており、俺に向かって「今度また作ってよ」と。
「もちろん良いですよ。しかし、新鮮な魚介類が必要ですので」
「そうだったね。ホルシオからここまではかなりの時間がかかる。王族専用の転移石を用いても良いが、その為だけにね~~~」
「待て、ジオルド!良いこと思いついたぞ!確かレインとレイフォードの合わせ技で「氷」が作れたはずだ!それなら遠方からでも新鮮なまま運んでこれるのでは!?」
「っ!!そうか!その手があったか!!落ち着いたら挑戦してみるか。それまで父上たちは楽しみに待っててください」
二人で完結させてしまったけど結局の所、
「だから『サシミ』とはなんぞや?」
であるからして~~~~。

「ほ~~生魚を「ショウユ」というタレで食すのか。生臭くないのか??」
「父上、ツーンとくる辛い「ワサビ」という香辛料も少しその魚に乗せて食べるので、臭みは全く感じないですよ」
「そうなのか。スイレンの国の食は本当に豊かなのだな」
うんうん、と頷き納得している様子ですがそんな話をするためにここにいるわけではありませんよね???
「さっさと本題に入りやがれ」
本心が口を突いて出てきても、誰も咎めません。
何せ王族以外の護衛騎士は皆心から思っていたことでございましょうからね。
その言葉で漸く本題に話が戻り・・・・・・・
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