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第四章
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「ありがとうございました!自分たちでは気付きませんでしたよ、あそこまで臭っていたなんて!!!」
風呂から出た後、自分たちの鎧からすんごくくっさ~~~い臭いが放たれていて、驚愕したそうだ。
今は洗って、天日干しをしている最中だ。
いや~~天気が良くて本当によかったわ!!!
簡素な服をこちらで用意していたので、それに着替えて今は騎士専用の食堂に来ている。
アーダルリアの騎士達は目を輝かせて、「あれも」「これも」と皿に乗せている。
で、デジャブ。
初めてこちらの食堂で食したとき、殿下の皿の上と全く同じ
「ザ☆肉!!」が出来上がっている者たちばかりだった。
「野菜も食べろーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
と、叫ばずには居られない俺って、小姑か?
俺は一人ずつに小皿に盛った野菜を提供してやった。
俺手ずからしてやるって、本当に大きな子供の世話をしているようなもんだわ。
「すみません、団長殿にこのような事をさせてしまい」
「いえいえいえいえ、本当にこの国の野菜は美味しいので是非とも食べて欲しいのですよ」
温かいスープも鍋ごと机に置いて、自由にとって貰うことにした。
そうしたら、さすが騎士なだけあって数分で皿も鍋も空になってしまったのだ。
料理人たちは美味しそうに食べ、そして、全てを完食したアーダルリアの騎士たちにまだ食べて欲しいらしく、「満腹ですか?」「何か作りましょうか?」とウキウキとした表情で尋ねている。
作りがいがあったのだろうな、こんなに綺麗に食べきってくれたから。
「いえ、もう充分です。こんなに美味しい食事は本当に久しぶりで・・・・・・というより、肉は我らの國では食べてはならないものでした」
「は?」
今、何と言った?
「肉だけではないんです。野菜も白い物、魚も白身のみ。卵の黄身は駄目。白ワインは良くても赤は駄目。栄養が偏ってしまい、子供達の発育が阻害される事例もあるんです」
「・・・・・・なんだそれ?そこまでいくと異常だな」
「はい、その通りで。先々代の教皇がお亡くなりになられた後からこの治政が続き、民は疲弊しきってしまい。現教皇の奥方もそれはそれは心を傷められ、今、こちらに教皇が出向いている間に政を奪う算段でございます」
騎士たちの手は震え、怒りを収めているのがわかる。
しかし、
「何で今まで放置していたんだ?」
「それは魔国との争いを理由にされたからです」
「はい?」
あの魔王が戦争をするだろうか?
そういう人物には全く見えなかったし、民をそれはそれは大切にしている様子だったのをはっきりと記憶している。
それは嘘偽りのない姿であったことだってわかっている。
「その頃、我が国では『瘴気』が蔓延し、正常な判断ができなかったのです。それを現教皇は『魔国が我が国に瘴気を運んでいる』と広め、逆にその瘴気を集めて魔国に返却するという案を提議されました。やはり正常な判断ができていなかった我々はそれが正しいのだと思い、瘴気を集める装置を開発しました」
あ~葵と竜胆が壊してきたやつのことか。
だが、腑に落ちないのが、
「何で当時『瘴気』が蔓延していたんだ?」
「・・・・・・・不満ですよ、生活への」
「???」
今の状況より酷いのか?
「今の状況は他国から見た場合「宗教」で片付けられるでしょう?しかし、当時はそんな物はクソ同然で、前教皇は民へ市民へ、税をかけたんですよ!生存税という訳のわからないのをね!!!」
「「「!!!」」」
さすがにこれにはフィルハート勢は驚きを隠せなかった。
『生存税』、とは何だ?
悪徳の香りしかしない『単語』だ。
「お前たちは生きているだけで『罪』だ。神同然の私とは全く違う生き物だ。本来私と同じ空間に居座ることなど、不敬だ。だが、許そう。私を崇め、金を払うならばと・・・・・・もちろん国を出ようと多くの人々が行動に移しましたが、どの者も『亡き者』にされました。自分と同じ空間で息を吸い、水を飲んでおきながら無償で出ようとした罰だそうです」
「ふ~~~ん。で、そいつ今どこにいるの?」
「現教皇に幽閉されました」
「??????それなのに何故こうなった?」
現教皇、さっき会ったあの脂ギッシュ☆なおっさん、悪者だろう?
「現教皇は、前教皇の血縁ではございません。強いて言うなら、敵同士でした」
「同じ『爵位』を持ち、どちらも権力を有しておりました。歳も変わりません。互いがライバルで、貶し合って育ってきたのです」
「あ~~~わかってきたわ!自分が「神」と言い張る前教皇が気にくわなくて、汚い手を使って陥れて自分が今の地位に就いた。そして、今度は自分が神同等だから敬え!俺の指図は神のお告げだと思え!とか何たらかんたら言ったんじゃねーの?」
「!!!!!!ご正解でございます・・・・・・」
「正解かよっ!!」
「更に付け加えますと、現教皇がお着けになられている宝石類には我らを従わせる『術』がかけられており、現教皇の自室にも同じ物が存在して・・・・・」
「あ~それ、もう大丈夫!効力無しだから。そもそも貴方たちがこの場でまったりと俺たちと話している時点で気付いて欲しかったわ~。本来ならあの気色悪い力を使って、貴方たちをそばに置いていただろうから」
「あっ!!!!!!!」
「あんだけ品もなくジャラジャラと宝石付けられていたら、ウザいし、キモイ!自慢?全く羨ましくない自慢だな~~~」
「スイ、言わせてもらうが、あれは精巧に作られたイミテーションだぞ?」
「「「「「「「えっ!!!!!」」」」」」」
あんだけギンギラと光り輝いた宝石たちがただのイミテーション・・・・・・・・
「まじかっ!?」
「ああ、おおまじだ!あんな下品な色を放つ宝石があってたまるか!土台も金のようだが、あれも偽物か、ただ、金箔を貼っただけだろう」
「へ、へ~~~~ん?だからかっ!!!本物の『石』であれば単純に力を無かったことにできないんだけど、すんなりと解呪できて変だとは思ったんだよな~~」
本物の『石』は汚されない。汚されないために強力な力を宿している。が、宿してしまえば今度はそれを離そうとはしない。そもそも力を受け入れた時点でその「石の意志」なのだ。本物の『石』の力は侮れない、侮ってはならない。
が、すんなりと解呪できたことを不思議に思わないといけなかったのに、思考を止めてしまった。
怠慢だ。
やはり俺は
弱くなった・・・・・・・・
と、感傷に耽っている場合でもなければ、俺が弱くなったんでもないわ!!
本物と偽物の区別が付くくらい『宝石』を見たことがないんだから当然だろうが!!!
全く!!!
風呂から出た後、自分たちの鎧からすんごくくっさ~~~い臭いが放たれていて、驚愕したそうだ。
今は洗って、天日干しをしている最中だ。
いや~~天気が良くて本当によかったわ!!!
簡素な服をこちらで用意していたので、それに着替えて今は騎士専用の食堂に来ている。
アーダルリアの騎士達は目を輝かせて、「あれも」「これも」と皿に乗せている。
で、デジャブ。
初めてこちらの食堂で食したとき、殿下の皿の上と全く同じ
「ザ☆肉!!」が出来上がっている者たちばかりだった。
「野菜も食べろーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
と、叫ばずには居られない俺って、小姑か?
俺は一人ずつに小皿に盛った野菜を提供してやった。
俺手ずからしてやるって、本当に大きな子供の世話をしているようなもんだわ。
「すみません、団長殿にこのような事をさせてしまい」
「いえいえいえいえ、本当にこの国の野菜は美味しいので是非とも食べて欲しいのですよ」
温かいスープも鍋ごと机に置いて、自由にとって貰うことにした。
そうしたら、さすが騎士なだけあって数分で皿も鍋も空になってしまったのだ。
料理人たちは美味しそうに食べ、そして、全てを完食したアーダルリアの騎士たちにまだ食べて欲しいらしく、「満腹ですか?」「何か作りましょうか?」とウキウキとした表情で尋ねている。
作りがいがあったのだろうな、こんなに綺麗に食べきってくれたから。
「いえ、もう充分です。こんなに美味しい食事は本当に久しぶりで・・・・・・というより、肉は我らの國では食べてはならないものでした」
「は?」
今、何と言った?
「肉だけではないんです。野菜も白い物、魚も白身のみ。卵の黄身は駄目。白ワインは良くても赤は駄目。栄養が偏ってしまい、子供達の発育が阻害される事例もあるんです」
「・・・・・・なんだそれ?そこまでいくと異常だな」
「はい、その通りで。先々代の教皇がお亡くなりになられた後からこの治政が続き、民は疲弊しきってしまい。現教皇の奥方もそれはそれは心を傷められ、今、こちらに教皇が出向いている間に政を奪う算段でございます」
騎士たちの手は震え、怒りを収めているのがわかる。
しかし、
「何で今まで放置していたんだ?」
「それは魔国との争いを理由にされたからです」
「はい?」
あの魔王が戦争をするだろうか?
そういう人物には全く見えなかったし、民をそれはそれは大切にしている様子だったのをはっきりと記憶している。
それは嘘偽りのない姿であったことだってわかっている。
「その頃、我が国では『瘴気』が蔓延し、正常な判断ができなかったのです。それを現教皇は『魔国が我が国に瘴気を運んでいる』と広め、逆にその瘴気を集めて魔国に返却するという案を提議されました。やはり正常な判断ができていなかった我々はそれが正しいのだと思い、瘴気を集める装置を開発しました」
あ~葵と竜胆が壊してきたやつのことか。
だが、腑に落ちないのが、
「何で当時『瘴気』が蔓延していたんだ?」
「・・・・・・・不満ですよ、生活への」
「???」
今の状況より酷いのか?
「今の状況は他国から見た場合「宗教」で片付けられるでしょう?しかし、当時はそんな物はクソ同然で、前教皇は民へ市民へ、税をかけたんですよ!生存税という訳のわからないのをね!!!」
「「「!!!」」」
さすがにこれにはフィルハート勢は驚きを隠せなかった。
『生存税』、とは何だ?
悪徳の香りしかしない『単語』だ。
「お前たちは生きているだけで『罪』だ。神同然の私とは全く違う生き物だ。本来私と同じ空間に居座ることなど、不敬だ。だが、許そう。私を崇め、金を払うならばと・・・・・・もちろん国を出ようと多くの人々が行動に移しましたが、どの者も『亡き者』にされました。自分と同じ空間で息を吸い、水を飲んでおきながら無償で出ようとした罰だそうです」
「ふ~~~ん。で、そいつ今どこにいるの?」
「現教皇に幽閉されました」
「??????それなのに何故こうなった?」
現教皇、さっき会ったあの脂ギッシュ☆なおっさん、悪者だろう?
「現教皇は、前教皇の血縁ではございません。強いて言うなら、敵同士でした」
「同じ『爵位』を持ち、どちらも権力を有しておりました。歳も変わりません。互いがライバルで、貶し合って育ってきたのです」
「あ~~~わかってきたわ!自分が「神」と言い張る前教皇が気にくわなくて、汚い手を使って陥れて自分が今の地位に就いた。そして、今度は自分が神同等だから敬え!俺の指図は神のお告げだと思え!とか何たらかんたら言ったんじゃねーの?」
「!!!!!!ご正解でございます・・・・・・」
「正解かよっ!!」
「更に付け加えますと、現教皇がお着けになられている宝石類には我らを従わせる『術』がかけられており、現教皇の自室にも同じ物が存在して・・・・・」
「あ~それ、もう大丈夫!効力無しだから。そもそも貴方たちがこの場でまったりと俺たちと話している時点で気付いて欲しかったわ~。本来ならあの気色悪い力を使って、貴方たちをそばに置いていただろうから」
「あっ!!!!!!!」
「あんだけ品もなくジャラジャラと宝石付けられていたら、ウザいし、キモイ!自慢?全く羨ましくない自慢だな~~~」
「スイ、言わせてもらうが、あれは精巧に作られたイミテーションだぞ?」
「「「「「「「えっ!!!!!」」」」」」」
あんだけギンギラと光り輝いた宝石たちがただのイミテーション・・・・・・・・
「まじかっ!?」
「ああ、おおまじだ!あんな下品な色を放つ宝石があってたまるか!土台も金のようだが、あれも偽物か、ただ、金箔を貼っただけだろう」
「へ、へ~~~~ん?だからかっ!!!本物の『石』であれば単純に力を無かったことにできないんだけど、すんなりと解呪できて変だとは思ったんだよな~~」
本物の『石』は汚されない。汚されないために強力な力を宿している。が、宿してしまえば今度はそれを離そうとはしない。そもそも力を受け入れた時点でその「石の意志」なのだ。本物の『石』の力は侮れない、侮ってはならない。
が、すんなりと解呪できたことを不思議に思わないといけなかったのに、思考を止めてしまった。
怠慢だ。
やはり俺は
弱くなった・・・・・・・・
と、感傷に耽っている場合でもなければ、俺が弱くなったんでもないわ!!
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全く!!!
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