不運が招く人間兵器の異世界生活

紫苑

文字の大きさ
上 下
189 / 227
第四章

4

しおりを挟む
準備を怠ることなく、そして魔国の支援が半分程度終わったころに漸くアーダルリアから使者、いやいやいやいや、何故「教皇」が来ているんだ???
アーダルリアは「王」や「皇帝」が頂点に君臨しているのではなく「教皇」が支配しているんだと教えて貰った。
そう「教皇」が、だ。
神聖帝国だろう?アーダルリア?
頂点が「教皇」であらせられても間違ってはいない。当然と捉えてもおかしくはない。
だが、聞いていた話と違う。
この教皇は「多色」過ぎるのだ。
「白い国」という解釈だったが、どういうことなのか?
いや、この者と共に来た騎士は皆白の甲冑だ。
上から下まで全てがだ。
なのに教皇はキンキラ、否、ギンギラギラリンしていて目がめっちゃ痛い!!!
王宮の賓客を持てなす室の煌びやかさにも勝るほどの輝き。
よくあれだけの物を付けて、目が潰れないなと変なことで感心していると、
「この国は白以外の無粋な色が多いですな」
と、どの口が言うのか教皇は嫌な笑みをたたえながら、フィルハート陛下に物申すのだった。
どのような神経をしているのか疑うわ~~~。じゃなかった、疑う余地もないほど「まとも」ではないのは外見からまるわかりだったわ。
その嫌味に陛下は付き合うようだ。
「ははは、多色は良いことだが貴殿のその多色は目に痛い。自分の姿を鏡で一度見てはいかがか?」
「なっ!これらは全て最高級の宝石類!純粋な色は私に相応しいのだ。陛下に侮辱される謂われはない!」
「ならば、私の国の『色』について口を出さないで戴こう。それ以上言うようならば、強制的に引き取り願う」
「っ!!!くそが・・・・・たかが『帝国風情』が!」
「あ?丸聞こえだが?そんなに我が国と話し合いをしたくないようなら、帰って戴いて結構。こちらとしては貴様と話し合いの場を設けただけでも有り難がってほしいくらいなのだがな」
こちらとしては損はしても得はしない今回の場。
ただアーダルリアがどう動くか、どう発言するか気になったから場を設けただけなのだが。
それにしても態度でかいな、このおっさん。
「では、少しでも黒い髪をした者この部屋から出してくださらんか。私は『黒』が嫌いなのだ」
俺の方をキッと睨むが知らんぷり~。
「貴殿は私たちの伴侶、そして第四騎士団長を侮辱するのか!ならば許さない!即刻この国から立ち去れ!」
ぶち切れジオルド発動。
ここまでキレるジオルド初めてかも?
格好いい~~~~~
「多色が嫌いならば他国に来るべきではない!貴様の国とは違うのだからな!」
ジルフォードは何故か俺の肩を抱き寄せる。
おい、今は会談中だっちゅうの!!!
「そんなヒョロイ身体で騎士団長っ!どんな手を使って・・・・・・まさかたらしこんだのか?」
ピキッと額が鳴るも、それより思ったことを口にしすぎじゃねーか、このおっさん。しかも声のトーン少しは落とせよ。丸聞こえなんだけど?
チラリとジオルドたちを見ると、剣に手を置いて今にでも抜刀しそうな勢いだ。
「ダメダメ駄目だって!まだ、駄目!!!めっ!!!」
「まだ、って終わったらいいのか?」
「いや、内容次第だろう?」
何とかかんとかで宥め賺して話し合いのはずが・・・・・・
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

神は眷属からの溺愛に気付かない

グランラババー
BL
【ラントの眷属たち×神となる主人公ラント】 「聖女様が降臨されたぞ!!」  から始まる異世界生活。  夢にまでみたファンタジー生活を送れると思いきや、一緒に召喚された母であり聖女である母から不要な存在として捨てられる。  ラントは、せめて聖女の思い通りになることを妨ぐため、必死に生きることに。  彼はもう人と交流するのはこりごりだと思い、聖女に捨てられた山の中で生き残ることにする。    そして、必死に生き残って3年。  人に合わないと生活を送れているものの、流石に度が過ぎる生活は寂しい。  今更ながら、人肌が恋しくなってきた。  よし!眷属を作ろう!!    この物語は、のちに神になるラントが偶然森で出会った青年やラントが助けた子たちも共に世界を巻き込んで、なんやかんやあってラントが愛される物語である。    神になったラントがラントの仲間たちに愛され生活を送ります。ラントの立ち位置は、作者がこの小説を書いている時にハマっている漫画や小説に左右されます。  ファンタジー要素にBLを織り込んでいきます。    のんびりとした物語です。    現在二章更新中。 現在三章作成中。(登場人物も増えて、やっとファンタジー小説感がでてきます。)

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

異世界転生してハーレム作れる能力を手に入れたのに男しかいない世界だった

藤いろ
BL
好きなキャラが男の娘でショック死した主人公。転生の時に貰った能力は皆が自分を愛し何でも言う事を喜んで聞く「ハーレム」。しかし転生した異世界は男しかいない世界だった。 毎週水曜に更新予定です。 宜しければご感想など頂けたら参考にも励みにもなりますのでよろしくお願いいたします。

【連載】異世界でのんびり食堂経営

茜カナコ
BL
異世界に飛ばされた健(たける)と大翔(ひろと)の、食堂経営スローライフ。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

アズ同盟

未瑠
BL
 事故のため入学が遅れた榊漣が見たのは、透き通る美貌の水瀬和珠だった。  一目惚れした漣はさっそくアタックを開始するが、アズに惚れているのは漣だけではなかった。  アズの側にいるためにはアズ同盟に入らないといけないと連れて行かれたカラオケBOXには、アズが居て  ……いや、お前は誰だ?  やはりアズに一目惚れした同級生の藤原朔に、幼馴染の水野奨まで留学から帰ってきて、アズの周りはスパダリの大渋滞。一方アズは自分への好意へは無頓着で、それにはある理由が……。  アズ同盟を結んだ彼らの恋の行方は?

とある美醜逆転世界の王子様

狼蝶
BL
とある美醜逆転世界には一風変わった王子がいた。容姿が悪くとも誰でも可愛がる様子にB専だという認識を持たれていた彼だが、実際のところは――??

平凡くんの学園奮闘記

nana
BL
平凡男子の真城 紡(ましろ つむぎ)が、頑張って王道学園で生活するお話。

処理中です...