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第三章
54 対処方法
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騎士団長寮のリビングに戻り、
「多分、数日後にアー何とか神聖国・・・」
「アーダルリアな」
「そうそう!それな!じゃなくて」
途中、竜胆の横入があったけど、無視して、
「そこがフィルハートに使者を差し向けるだろう。けど、全て自国のためにならないことなら突っぱねろ。アーダルリアの『民』の事は考えるな。そこは俺たちがカバーする」
「了解した。多分私とジルはその謁見会場には入れない。入れるのは父上と兄上たちだけだ。俺たちがこの国の『王太子』ではないからな」
「え、そうなん???じゃ、オーガスト殿下とキュリアス殿下に伝えといて。そして、ここからが重要だが、ああいう国はどこからか間者を潜り込ませる」
「ふむ。ということは、その謁見に乗じてこの国の『何か』を探ろうとするのだ?」
「ああ、だから厳重に警戒に当たれ。それとレイン。その時はお前の単独行動を許可する」
「えっ!!!は??わ、私が団長の傍にいたら迷惑ってことでしょうか???」
驚き、そして捨てられた子犬のようにシュンとする大きな相棒。
そいつの頭を撫でて、あ、本当に犬だな・・・・・・。
「違う違う。お前は俺たちと同じ『忍び』の力量が群を抜いて凄まじいから、菖蒲と斥候に行ってこい。菖蒲いいな?」
「ええ、翠蓮様の命令には逆らえませんし、この子をワンツーマンで指導できる機会ですから」
「頼んだ。レイン、俺はお前の『隠密』のスキルを甚く評価しているんだ。菖蒲とアーダルリアに忍び込んで情報を探ってこい」
「はっ!!団長の信頼に歪みを入れないよう菖蒲様のご教授を一身に受けながら精進して参ります!!」
「ん??んん?ちょっと何言ってるかわからんが、頼んだぞ」
「はいっ!」
「ただし、斥候に赴くのは2日後。休息も必要だからね。い・い・わ・ね!」
「あ、はい。もちろんです、それは当然のことでございます、菖蒲姉さん。あ、後で第一の農園でハーブ貰ってくるからそれを湯に入れてしっかり疲れ取ってくれ」
「助かるわ。ではレイン、早速取りかかりましょう。訓練は斥候に行きながらできるから、それまで準備よ!!」
「はいっ!お姉様!」
「「「「お・ね・え・さ・まっ!?」」」」
「いや~~~ん、レインちゅわ~~~ん!かんわいいいいいいいいいいっ!私が食べちゃって良いかしらん?」
レインに抱きつき頬摺りまでするから、俺がそれをビリビリと剥がして、
「レインには超素敵な旦那様があちらにいるので姉さんはご遠慮願います!」
「ま、冗談なのに~~~」
と、どこまで冗談か判らないが掌をヒラヒラさせながら高級なワインを呷っている。
「多分、数日後にアー何とか神聖国・・・」
「アーダルリアな」
「そうそう!それな!じゃなくて」
途中、竜胆の横入があったけど、無視して、
「そこがフィルハートに使者を差し向けるだろう。けど、全て自国のためにならないことなら突っぱねろ。アーダルリアの『民』の事は考えるな。そこは俺たちがカバーする」
「了解した。多分私とジルはその謁見会場には入れない。入れるのは父上と兄上たちだけだ。俺たちがこの国の『王太子』ではないからな」
「え、そうなん???じゃ、オーガスト殿下とキュリアス殿下に伝えといて。そして、ここからが重要だが、ああいう国はどこからか間者を潜り込ませる」
「ふむ。ということは、その謁見に乗じてこの国の『何か』を探ろうとするのだ?」
「ああ、だから厳重に警戒に当たれ。それとレイン。その時はお前の単独行動を許可する」
「えっ!!!は??わ、私が団長の傍にいたら迷惑ってことでしょうか???」
驚き、そして捨てられた子犬のようにシュンとする大きな相棒。
そいつの頭を撫でて、あ、本当に犬だな・・・・・・。
「違う違う。お前は俺たちと同じ『忍び』の力量が群を抜いて凄まじいから、菖蒲と斥候に行ってこい。菖蒲いいな?」
「ええ、翠蓮様の命令には逆らえませんし、この子をワンツーマンで指導できる機会ですから」
「頼んだ。レイン、俺はお前の『隠密』のスキルを甚く評価しているんだ。菖蒲とアーダルリアに忍び込んで情報を探ってこい」
「はっ!!団長の信頼に歪みを入れないよう菖蒲様のご教授を一身に受けながら精進して参ります!!」
「ん??んん?ちょっと何言ってるかわからんが、頼んだぞ」
「はいっ!」
「ただし、斥候に赴くのは2日後。休息も必要だからね。い・い・わ・ね!」
「あ、はい。もちろんです、それは当然のことでございます、菖蒲姉さん。あ、後で第一の農園でハーブ貰ってくるからそれを湯に入れてしっかり疲れ取ってくれ」
「助かるわ。ではレイン、早速取りかかりましょう。訓練は斥候に行きながらできるから、それまで準備よ!!」
「はいっ!お姉様!」
「「「「お・ね・え・さ・まっ!?」」」」
「いや~~~ん、レインちゅわ~~~ん!かんわいいいいいいいいいいっ!私が食べちゃって良いかしらん?」
レインに抱きつき頬摺りまでするから、俺がそれをビリビリと剥がして、
「レインには超素敵な旦那様があちらにいるので姉さんはご遠慮願います!」
「ま、冗談なのに~~~」
と、どこまで冗談か判らないが掌をヒラヒラさせながら高級なワインを呷っている。
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