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第三章

42 準備

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先に俺たち人間兵器は魔国に乗り込み、城門外にフィルハートの王族の力が籠った転移石を埋めれそうな所に埋めた。
そして、俺たちは魔国の空を見上げる。
「凄い瘴気だな。想像以上だし、桃季の報告以上だな」
「ああ、すまない翠蓮。式神まで『汚染』されてしまった」
桃季の足下には真っ黒に染まった式神だった『紙』が散らばっている。
『紙』という形を保っているのは、最後に桃季に瘴気の『怖さ』を知らすためなのだ。
桃季が「ありがとう」と言葉を放つと紙は燃え、空に舞い上がっていった。
その姿に俺たち『人間兵器』は手を合わせ、お礼を言うのだった。



「「「「「感謝致します、神々よ」」」」」

「桃季は強力な式神を用意して、五星に分かれてくれ」
「でも、この国大きすぎるわよ?全てを結界で囲うとなると無理よ?」
バーミリアは上空から見たとき、俺が結界を張れる限界丁度ギリギリで瘴気が留まっていたが、魔国はそうはいかない。
バーミリアより濃く、広く流れており、何回も結界を張っては浄化してを繰り返さなければならないだろう。
しかし、
「俺もここまでとは思ってなかった。折角桃季や菖蒲姐さんが後遺症の減軽する物を作ってくれたのに、ちょっと無理かも?ごめん。だけど、ここで食い止めないと!!」
本当は呆然としたい俺の意識。
ここに来るまでの数日間、近くで手合わせをしていた。
その時より濃くなっていて、俺たちの考えがどれだけ甘かったのかと後悔しかない。
人が産み出した『瘴気』は簡単に成長することを俺たちは忘れていたのだ。
自分たちの落ち度でしかない。
「俺、殿下たちだけじゃ満足しないと思う・・・・・・・・」
「うん」
「やだ、な・・・・」
「ああ」
「でも、覚悟決めないと」
「そんなっ!」
「レギウスに面倒いこと押しつけちゃうな」
「あいつは嬉々としてお前を抱くさ」
そう言いながらも桃季の表情は俺よりも曇っていて、俺よりも泣きそうで。
「うん、うん、うん!!!大丈夫!!!」
わかってくれている皆。
俺よりも暗い表情の友たち。
これより心を煩わせるわけにはいかない!
「菖蒲、これ渡しておくから俺たちの性交が終わる頃風呂に入れておいて」
「あんた特性の薬ね。いつもより濃いようね」
「うん、性交が終わっても俺の身体の中は燻ってると思うから、濃くした」
「そう・・・・・・・・覚悟はしていたみたいね。でも、その覚悟を上回ってしまったのね」
「うん」
だが、やらねばならないのだ。
「一番『瘴気』が凝り固まっている箇所を囲える範囲で『浄化』する。そして、・・・・・後遺症が治まり次第、次の箇所に移る。ま、そんなに酷くはないと思うから、俺が苦しんでいる間に出来る範囲で良いから『浄化』頼んで良いか?」
「当たり前だろうが。『浄化』はお前の専売特許だが、俺たちにだってできないわけではない。範囲はお前と比べて小さいがな。だが、お前の意識が安定する頃にはほとんど終わらせておくから、安心して抱かれてこい」
「ははっ!おうよっ!!!さて、そろそろ騎士団が来る頃だな。じゃ、俺は青龍に頼んで上空に行くから後はよろしく!」



「「「「畏まりました、翠蓮様」」」」
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