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第三章
閑話3 暗1
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閑話3
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉつ!!!」
突如としてこの世界から消えた翠蓮の部屋を掃除していると、何故か天上から彼の声が聞こえてくるではないか。
あの馬鹿が死ぬわけがないと思っていたからこの部屋の管理をしていたのだが、まさか屋根裏にでも住んでいたのか?(そもそもマンションなので屋根裏などないが)と疑問に思うのがバカバカしいほどのことが起きたのだ。
いきなり天上が割れ、その隙間から翠蓮と猫6匹が飛び出してきたのだ。
さすが猫と思わせる俊敏な動きで、シュタ!と綺麗に着地したものの、最強の忍びと謳われる『人間兵器』が無様に尻から床にべちゃりと落ちたのだった。
「いってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・あんた、今までどこほっつき歩いていたんじゃい!!」
労る言葉をかける必要も無く、拳骨一つ落としてやったら、
「っつううううううううううううううううううっ!!!」
あらあら本当に涙目になっちゃったわ☆
「あ、菖蒲・・・・・・ここどこ・・・・・・あ、俺の家か?ん?じゃ、何で菖蒲がいるんだ?」
「あんたが絶対に生きていると信じていたから、帰ってくるまで掃除してあげてたのよっ!!感謝なさい!!」
「あ、え、まじでっ!?ありがとーーーーーーーーーーーーーーー菖蒲姐さん!!!」
「引っ付くなっ!引っ付くなら竜胆にしてやんな!」
「ほえ???」
私の後ろからユラリと現われた竜胆は驚きの表情のあと、くしゃりと顔を歪ませて、翠蓮に思いっきり抱きついていた。
折角立ち上がった翠蓮だったのに、ソファに倒されている。
「竜胆、ここでするんじゃないわよ!折角綺麗にしたんだから!するなら寝室連れて行ってよ」
「・・・・・・・ぅん」
「?????????は?????」
困惑する翠蓮を尻目に竜胆は翠蓮を抱き上げて、この部屋の主の寝室へ運んでいった。
「へ?あれ?ちょっと、竜胆さん?どうしたの?え?」
その声を最後にバタンと寝室の扉が閉まると、葵が現われて、
「翠蓮、食われちまうのか?」
「さ~~~?ま、いいじゃない別に。その前に鍛えてる成人男性を軽々と抱き上げる竜胆って・・・・・・頼もしいわね~~~。あら、葵妬いちゃってんの?」
「ふん!つか、俺会ってねんだけど、翠蓮に」
「あっ!」
そう言えばと態とらしく口に手を充てて驚いてみせるとゴンと小さく拳骨を落とされちゃった。
「にゃ~~~~」
「ん?あ、翠蓮と一緒に来た子たちね。困ったわ~猫用品この家ないでしょ?」
「俺が買ってくるから、その間に掃除終わらせておいてくれ。ついでに桃季に飯作ってくれるよう頼んでくる」
「ありがと☆さすが気の利く男ね!竜胆にはもったいないわ~~~」
「そのあいつは今は翠蓮に霧中だけどな」
「あらあら浮気現場を見せられちゃったもんね~~~」
「翠蓮だから赦すだけだ・・・・・・。元々あいつは翠蓮大好き小僧だからな」
「私は赦せないわ、翠蓮でも。もっとあんたの心情前面に出しても良いんじゃないの?」
「・・・・・・俺は竜胆が心安らかに過ごせるならそれでいい」
「ふ~~~ん、ま、あんた達の勝手だから口出しはしないでおくわね」
「ああ、助かる」
「だけど、竜胆があんたを蔑ろにするならば別よ!私はあんたとの方が付き合い長いんだから」
「お前はそういう奴だよな。ありがとう菖蒲」
「はいはい、ではよろしくね」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉつ!!!」
突如としてこの世界から消えた翠蓮の部屋を掃除していると、何故か天上から彼の声が聞こえてくるではないか。
あの馬鹿が死ぬわけがないと思っていたからこの部屋の管理をしていたのだが、まさか屋根裏にでも住んでいたのか?(そもそもマンションなので屋根裏などないが)と疑問に思うのがバカバカしいほどのことが起きたのだ。
いきなり天上が割れ、その隙間から翠蓮と猫6匹が飛び出してきたのだ。
さすが猫と思わせる俊敏な動きで、シュタ!と綺麗に着地したものの、最強の忍びと謳われる『人間兵器』が無様に尻から床にべちゃりと落ちたのだった。
「いってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・あんた、今までどこほっつき歩いていたんじゃい!!」
労る言葉をかける必要も無く、拳骨一つ落としてやったら、
「っつううううううううううううううううううっ!!!」
あらあら本当に涙目になっちゃったわ☆
「あ、菖蒲・・・・・・ここどこ・・・・・・あ、俺の家か?ん?じゃ、何で菖蒲がいるんだ?」
「あんたが絶対に生きていると信じていたから、帰ってくるまで掃除してあげてたのよっ!!感謝なさい!!」
「あ、え、まじでっ!?ありがとーーーーーーーーーーーーーーー菖蒲姐さん!!!」
「引っ付くなっ!引っ付くなら竜胆にしてやんな!」
「ほえ???」
私の後ろからユラリと現われた竜胆は驚きの表情のあと、くしゃりと顔を歪ませて、翠蓮に思いっきり抱きついていた。
折角立ち上がった翠蓮だったのに、ソファに倒されている。
「竜胆、ここでするんじゃないわよ!折角綺麗にしたんだから!するなら寝室連れて行ってよ」
「・・・・・・・ぅん」
「?????????は?????」
困惑する翠蓮を尻目に竜胆は翠蓮を抱き上げて、この部屋の主の寝室へ運んでいった。
「へ?あれ?ちょっと、竜胆さん?どうしたの?え?」
その声を最後にバタンと寝室の扉が閉まると、葵が現われて、
「翠蓮、食われちまうのか?」
「さ~~~?ま、いいじゃない別に。その前に鍛えてる成人男性を軽々と抱き上げる竜胆って・・・・・・頼もしいわね~~~。あら、葵妬いちゃってんの?」
「ふん!つか、俺会ってねんだけど、翠蓮に」
「あっ!」
そう言えばと態とらしく口に手を充てて驚いてみせるとゴンと小さく拳骨を落とされちゃった。
「にゃ~~~~」
「ん?あ、翠蓮と一緒に来た子たちね。困ったわ~猫用品この家ないでしょ?」
「俺が買ってくるから、その間に掃除終わらせておいてくれ。ついでに桃季に飯作ってくれるよう頼んでくる」
「ありがと☆さすが気の利く男ね!竜胆にはもったいないわ~~~」
「そのあいつは今は翠蓮に霧中だけどな」
「あらあら浮気現場を見せられちゃったもんね~~~」
「翠蓮だから赦すだけだ・・・・・・。元々あいつは翠蓮大好き小僧だからな」
「私は赦せないわ、翠蓮でも。もっとあんたの心情前面に出しても良いんじゃないの?」
「・・・・・・俺は竜胆が心安らかに過ごせるならそれでいい」
「ふ~~~ん、ま、あんた達の勝手だから口出しはしないでおくわね」
「ああ、助かる」
「だけど、竜胆があんたを蔑ろにするならば別よ!私はあんたとの方が付き合い長いんだから」
「お前はそういう奴だよな。ありがとう菖蒲」
「はいはい、ではよろしくね」
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