不運が招く人間兵器の異世界生活

第三章

19 金づる

汗を流すのは良いが自分の家ではフィルハートの者たちの服が足りない。というか、サイズが合わない！
ガッデムッ！！
じゃなくて！！
「桃季っ！悪い！先に風呂っ！！！でぇっぇぇぇぇぇぇつ！！」
「うっさいわ！スイ！！テメーいつもいつも突然予約入れやがって！！！こっちは儲かって良いけどな！！」
儲かるなら良いじゃんと反論してはいけない。反論しようものなら包丁などが飛んでくるから。忍びの世界での「乱状剣」と言われる部類だ。
トイレットペーパーすら武器にしてくるのだからタチが悪い！
ちなみに今俺に飛んできたのは盥でした。
何故盥？と思いきや、鰻が元気に泳いでおられました。
「ふん！スタミナがお前らには必要だろうが！いいからさっさと風呂入ってこい！浴衣は用意しといてやる！」
「あ、ああ、ありがとう桃季」
「ふん。大切な金を落とすお客様だからな。そのくらいはしてやる」
「素直じゃないな」
「うっさいわ！テメーの鰻なしにすんぞ！」
「えっ！？あ、それはやめて！ごめん！！」
「わかればよろしい！ま、久しぶりに会ったんだ。ゆっくりしていけ」
「うん」
俺はこちらの世界に戻ってきて、やることが沢山あって中々こいつに会うことができなかったのだが、こちらの世界に戻ってきたことは報告はしていたのだ。
首まで赤く染めて、恥じらいながらも俺を気遣ってくれる優しさ。こいつらは本当に最高の幼なじみだわ！