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第三章

12 しまる

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「ううううう、団長――――――――――――――――っ!!!」
ガバリと勢いよく抱きつかれ、俺はソファに押し倒された。
レインによって。
緑の、草花の優しい匂いがする。
あ、すんげ~~良い匂い!!!
その香しい匂いに酔いしれながらサラサラの髪を優しく梳いて、
「レインは甘えん坊だな~。俺より年上なのに」
「ううう、関係ありません!私には団長が必要なのですから!!」
ぎゅ~~~~と痛いほど抱きしめられ、ミシミシと骨が軋む。
「れ、レインさん、ちょっと力抜いてくださいな。まじで痛い」
「あ、す、すみません!!!」
と、言いつつも離れる気配がなく、俺と一緒にこの部屋にいた男が「うわ、大型犬に見えるわ」と。
全くその通りでございます!!!
が、もう一人の大型犬をお忘れにならないでいただきたい!
「スイっ!私も私も!!!心配したんですから!!」
と、レイフォードまで力任せにしがみついてくるではないか。
「ぐえっ!ふ、服が伸びるっ!つか、首しまってる!!!」
あまりの苦しさに俺は二人の腕を叩くが、何故か強まるばかりで!!
「ぎ、ギブッ!ま、、ぐぇぇえぇっ」
俺の意識が摘み取られようとしております。
「わかってくださいましたか、団長?」
「私たちがどれだけ心を傷めたか」
二人は漸く俺から剥がれ、涙を流し、俺に訴える。
その姿は絵画を見ているように美しくて、
「ごめん」
と、素直に口から謝罪の言葉が飛び出したのだ。
二人の涙を手で拭うと、再び、今度はやんわりと抱きしめられたのだ。
そして、
「もうお会いできないかと思っておりました」
「寂しかったです」
「悪かったよ・・・・・・」
よしよしと二人の頭を優しくなでつける。
「こらこらそろそろスイから離れなさい」
エリアスが二人を促し、立たせると何故か俺の頭に拳骨をお見舞いしてきたのだった。
「っつ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!」
「皆に心配掛けさせたお礼です!!」
アルバートは背後から痛む頭を撫でてくれる。
「エリアスが憂さを晴らしてくれたから、俺は何もしない」
「ぬ~~~~~~~ん?つか、お前らっ!」
床が泥だらけではないか!!

「靴を脱げーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」

で、漸く話し合いができる段階までこぎ着けました。
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