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第二章
56 結婚式
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約一月後、ナルミア様の結婚式が盛大に行われた。
幸せ一杯の彼女の周りには、多くの人たちが集まり、祝いの言葉を投げかけている。その中には子供たちも多く見受けられ、どれだけ彼女が国民から愛された存在なのかわかる一面だった。
そんな彼女の周りには当たり前に多くの精霊が飛び交い、唄を歌って祝っているが、もちろん俺やジオルド、ジルフォード以外、今はまだ聞ける者はいない。
色鮮やかな花びらが街に降り注ぎ、人々の頭を彩っていく。
俺も例外ではなくて、
「団長、頭に花びらではなくて、花そのものがつけられてますよ」
レインにそっと取られたソレは、純白の小さく可憐な花だった。
「ふふふ、団長を飾ってくれたこの花は、大層団長がお好きなのですね」
その花をそっとハンカチに包んで、安全な場所に移すレイン。
「帰って、どこかに飾りましょう」
盛大な結婚式も幕開けとなるが、民の夜はまだ静まらない。
夜店が出て、多くの者が酒を手に取り、歌い踊っている。
陽気で明るい民は、この平和な世が続くと信じて疑っていない。
この帝国なら
陛下が治めるこの国ならと
だが、それは儚い夢だったのかもしれない・・・・・・・。
結婚式後、王族は揃って会食となり、俺たちは護衛を解かれ、ゆっくりと自室で過ごすこととなった。
ひと月以上、陛下たちと身体を合わせていない。
寂しくないわけがない。
その寂しさを忙しさで紛らわせていただけに過ぎない。
奥に燻る熱がないわけではない。
その熱を冷ますために、また弱くならないために神獣様たちに鍛錬を付き合って戴いている。
今日もその小さく燻る熱を冷ますため、またこちらの世界に来て『弱くなってしまった俺』を再び鍛えるため、広い平原に結界を張り、神獣様たちと打ち合いをしている。
「がっ!!」
「スイっ!動きが遅いっ!!!」
青龍に吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられる。その際にゴキッと嫌な音を起てて、どこかの骨が折れた。
なぜ骨が折れた箇所もわからないのか・・・・・・。
それはすでにどこやかしこが折れすぎて、立っているのもやっとだからだ。
それでもっ!!
口にクナイを強く咥え、彼らに立ち向かう。
「ぐぅっ!!!!」
だが、抵抗虚しく再び地面へと這いつくばる形となる。
その際気を抜いてしまい、結界を解いてしまった。
そして、この場に聞くことのない『声』が俺を呼ぶ。
スイ、と・・・・・・・・・。
幸せ一杯の彼女の周りには、多くの人たちが集まり、祝いの言葉を投げかけている。その中には子供たちも多く見受けられ、どれだけ彼女が国民から愛された存在なのかわかる一面だった。
そんな彼女の周りには当たり前に多くの精霊が飛び交い、唄を歌って祝っているが、もちろん俺やジオルド、ジルフォード以外、今はまだ聞ける者はいない。
色鮮やかな花びらが街に降り注ぎ、人々の頭を彩っていく。
俺も例外ではなくて、
「団長、頭に花びらではなくて、花そのものがつけられてますよ」
レインにそっと取られたソレは、純白の小さく可憐な花だった。
「ふふふ、団長を飾ってくれたこの花は、大層団長がお好きなのですね」
その花をそっとハンカチに包んで、安全な場所に移すレイン。
「帰って、どこかに飾りましょう」
盛大な結婚式も幕開けとなるが、民の夜はまだ静まらない。
夜店が出て、多くの者が酒を手に取り、歌い踊っている。
陽気で明るい民は、この平和な世が続くと信じて疑っていない。
この帝国なら
陛下が治めるこの国ならと
だが、それは儚い夢だったのかもしれない・・・・・・・。
結婚式後、王族は揃って会食となり、俺たちは護衛を解かれ、ゆっくりと自室で過ごすこととなった。
ひと月以上、陛下たちと身体を合わせていない。
寂しくないわけがない。
その寂しさを忙しさで紛らわせていただけに過ぎない。
奥に燻る熱がないわけではない。
その熱を冷ますために、また弱くならないために神獣様たちに鍛錬を付き合って戴いている。
今日もその小さく燻る熱を冷ますため、またこちらの世界に来て『弱くなってしまった俺』を再び鍛えるため、広い平原に結界を張り、神獣様たちと打ち合いをしている。
「がっ!!」
「スイっ!動きが遅いっ!!!」
青龍に吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられる。その際にゴキッと嫌な音を起てて、どこかの骨が折れた。
なぜ骨が折れた箇所もわからないのか・・・・・・。
それはすでにどこやかしこが折れすぎて、立っているのもやっとだからだ。
それでもっ!!
口にクナイを強く咥え、彼らに立ち向かう。
「ぐぅっ!!!!」
だが、抵抗虚しく再び地面へと這いつくばる形となる。
その際気を抜いてしまい、結界を解いてしまった。
そして、この場に聞くことのない『声』が俺を呼ぶ。
スイ、と・・・・・・・・・。
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