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第二章
55 新たな加護
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レイフォードの加護抜きが終了し、新たな精霊の力を得る儀式は焔を再建しつつ行った。
既に彼の肩には新たな精霊が2体ルンルンと鼻歌を歌いながら、待っている。
『水』と『光』の精霊だ。
大変珍しい。
「レイ、二つの加護が使えるようになるのか、それとも合わせ技なのかわからないが、制限はあれど『水』と『光』の二つの加護を同時に扱うことができるようになる。ということは・・・・・・・・」
「ということは?」
「加護を身体に馴染ませている間の反動が凄まじい!ということだっ!!」
「っ!!えええっ!って、どういうことなんですか?」
「俺の口から言わせるか・・・・・・」
少し俺は考え込み、そして、率直に、
「アルバートと何時間も狂うくらい身体を合わせなければならないということだっ!」
「「っ!!!!」」
アルとレイは目を見開いたまま、お互い顔をガン見して、大声で
「「えええええええええええええええええええええっ!」」
頑丈なはずの建物が小さく揺れた気がした。
案の定、その日の夜、レイフォードの部屋からは甘い声が俺たちの部屋にまで漏れ聞こえ、激しく愛されていたのがどの部屋にいてもわかったほどだった。
しかし、あれだけ愛されたというのに、翌日にはケロリとしたレイがツヤツヤお肌で朝食を摂っており、その横ではぐったりとしたアルバートがコーヒーだけを啜っていたのだ。
普通、反対じゃね?
だが、レイの身体にはしっかりと加護が馴染んでいる。
彼から溢れ出るオーラの色は、青色がキラキラと光り輝いているのだ。
「『再生』だな」
「「????」」
「レイの加護の能力だよ。俺が持つ治癒より上の『再生』だ」
俺は自分の指を手近なナイフで斬り落とした。
「っ!!!」
「スイっ!!何てことしてやがる!!!」
慌ててアルバートが俺が落とした指を抱え、溢れ出る血を止めようとす。
が、俺は痛みを堪えながらそれを制止し、
「レイフォード副団長、俺の指をくっつけろ」
「っ!!!で、でき」
「いや、今のお前の力ならできる!」
「ぐっ!はいっ!!!」
切り口に光を集め、キラキラと輝く光を収束していくと、アルバートが持っていた俺の指が勝手に切り口へと行き、綺麗に跡形もなくくっついた。
痛みも違和感もない、何もされていない通常の指に戻ったのだ。
「っ!で、できた・・・・・ぁ・・・・・・」
「うん、上出来だ!だが、お前の力はこんなもんじゃない!このくらいは俺でもできる。が、俺にできないこととは、教えただろう、レイ」
「・・・・・・・失くした箇所の再生」
「そういうことだ。お前はそれができる力を授かったようだぞ。今の様に集中して光を収束する訓練を積めば、お前ならできるようになる!」
「っ!!!はいっ!!!」
俺の斬り落とされた指を見た瞬間は、泣きそうだった表情も、今は溌剌とし、希望と夢に満ちあふれた瞳を俺にまっすぐぶつけてきたのだ。
「で、レイとスイ、二人で満足するのはいいが、心配をした俺たちに言うことはないのか?」
「「あっ!!!」」
・・・・・・・・・・・・
「俺はないかな?」
「すみません、アルバート団長」
「・・・・・・・・・・・・・おい、スイ・・・・・・」
「冗談だって!悪かった!今度美味い酒飲みに行こうぜ!」
この約束が守られる日が、この『国』ではないことをまだ誰も知らない
既に彼の肩には新たな精霊が2体ルンルンと鼻歌を歌いながら、待っている。
『水』と『光』の精霊だ。
大変珍しい。
「レイ、二つの加護が使えるようになるのか、それとも合わせ技なのかわからないが、制限はあれど『水』と『光』の二つの加護を同時に扱うことができるようになる。ということは・・・・・・・・」
「ということは?」
「加護を身体に馴染ませている間の反動が凄まじい!ということだっ!!」
「っ!!えええっ!って、どういうことなんですか?」
「俺の口から言わせるか・・・・・・」
少し俺は考え込み、そして、率直に、
「アルバートと何時間も狂うくらい身体を合わせなければならないということだっ!」
「「っ!!!!」」
アルとレイは目を見開いたまま、お互い顔をガン見して、大声で
「「えええええええええええええええええええええっ!」」
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案の定、その日の夜、レイフォードの部屋からは甘い声が俺たちの部屋にまで漏れ聞こえ、激しく愛されていたのがどの部屋にいてもわかったほどだった。
しかし、あれだけ愛されたというのに、翌日にはケロリとしたレイがツヤツヤお肌で朝食を摂っており、その横ではぐったりとしたアルバートがコーヒーだけを啜っていたのだ。
普通、反対じゃね?
だが、レイの身体にはしっかりと加護が馴染んでいる。
彼から溢れ出るオーラの色は、青色がキラキラと光り輝いているのだ。
「『再生』だな」
「「????」」
「レイの加護の能力だよ。俺が持つ治癒より上の『再生』だ」
俺は自分の指を手近なナイフで斬り落とした。
「っ!!!」
「スイっ!!何てことしてやがる!!!」
慌ててアルバートが俺が落とした指を抱え、溢れ出る血を止めようとす。
が、俺は痛みを堪えながらそれを制止し、
「レイフォード副団長、俺の指をくっつけろ」
「っ!!!で、でき」
「いや、今のお前の力ならできる!」
「ぐっ!はいっ!!!」
切り口に光を集め、キラキラと輝く光を収束していくと、アルバートが持っていた俺の指が勝手に切り口へと行き、綺麗に跡形もなくくっついた。
痛みも違和感もない、何もされていない通常の指に戻ったのだ。
「っ!で、できた・・・・・ぁ・・・・・・」
「うん、上出来だ!だが、お前の力はこんなもんじゃない!このくらいは俺でもできる。が、俺にできないこととは、教えただろう、レイ」
「・・・・・・・失くした箇所の再生」
「そういうことだ。お前はそれができる力を授かったようだぞ。今の様に集中して光を収束する訓練を積めば、お前ならできるようになる!」
「っ!!!はいっ!!!」
俺の斬り落とされた指を見た瞬間は、泣きそうだった表情も、今は溌剌とし、希望と夢に満ちあふれた瞳を俺にまっすぐぶつけてきたのだ。
「で、レイとスイ、二人で満足するのはいいが、心配をした俺たちに言うことはないのか?」
「「あっ!!!」」
・・・・・・・・・・・・
「俺はないかな?」
「すみません、アルバート団長」
「・・・・・・・・・・・・・おい、スイ・・・・・・」
「冗談だって!悪かった!今度美味い酒飲みに行こうぜ!」
この約束が守られる日が、この『国』ではないことをまだ誰も知らない
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