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第二章

53 処刑

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処刑当日、罪人に『性』拷問器具を装着させる役目は、なんとナルミア王女の騎士団によってなされたのだった。
嬉々として女性騎士はその役目を買ったそうだ。
男性騎士曰く、

「超どSで有名な女性騎士たちだ」

とのこと。
いらない情報だったわ・・・・・・・。

装着し終わった後の女性騎士の冷ややかな態度は、その場を本気で凍り付かせたとか。
俺にも、
「団長ぜーーーーーーーーーーーーーーーーたいに怒らせないでくださいよっ!ある意味で団長より怖いのですからっ!」
と、釘を刺されました。



その姿を見ると誰もが顔を顰め、実際に吐瀉物を吐き散らかしている民もいるくらいだ。
さすがに騎士は堪えてはいるが、あとで上等な酒を振る舞ってやろうくらいの仕事ぶりだ。
本来元司祭もこのような辱めを受けるとは露程にも考えはしなかったであろう。だが、実際は『テメーのやった所行だ』なのだ。
それを理解しているから、この国の国民は見に来ているのだ。
ただ、誰一人として子供は連れてきていない。
もちろんのことであろう。
こんなのが『トラウマ』になってみろ。
愛し合う二人のむつみ合いで使用される『おもちゃ』がこのような男に使用されているのだぞ!
両親だとて、『愛し合う二人』なら許そう。
だがっ!今回は抵抗も出来ない『男児』が犠牲になったのだ。
この世界は『同性愛』を蔑みはしない。むしろ『当たり前』なのだ。
だからこそ、許せないのだ、民は。
『性を蔑ろにする』ことを!
俺が産まれた国では、公に性を出すことを「汚らしい」や「アバズレ」など、それこそ汚い言葉で貶される。
だがこの世界は、健康な子供を望むことが許されないほどの『瘴気』に汚染され、次世代の明るい未来を見据えることができないのだ。
ある意味で神聖な行いを穢したのだ、この醜悪男は。
よく見ると、民の中に泣いている夫婦が数組見受けられる。
どうしたのかと疑問に感じていると、隣のアルバートが教えてくれたのだ。
「犠牲になった男児の中には『孤児』ではない子もいた」
のだと。
赦せない。赦すことはできない程の怒りが、一気に込み上げる。
言葉が出ないほどショックである。
「後で、アシュレイ兄弟を犠牲者の墓の前に連れて行け。あの二人の歌声で天に昇らせてあげてくれ」
「ああ、了解した」


そして、汚い喘ぎ声を場に響かせながら、ゴトリと頭を落としたのだった。
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