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第二章
50.ナンパ
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翌日、レインを伴って、焔を訪れた。
転移用魔法石のおかげで一瞬だった。
焔と帝都を結ぶルートは、王族が許可すれば誰でも通ることが出来るようになっており、物資など容易に運ぶことが出来る。
ただ、これは通常の魔法石とは異なるため、かなり、否、まじで超高価な宝石だそうだ。
例えば、ジオルド殿下の個人資産を全て擲ってでも購入できないほどの代物なのだそうだ。
こわっ!!
畑に行くと、日本の調味料の原料としては欠かせない「大豆」がすでに収穫できるとのことで、俺も手伝うことに。
レインは収穫より、味噌や醤油にするための下処理の方に興味を持ち、女性たちの手伝いをしている。
「おっ!ユーステス!」
「スイ団長!!こちらに戻られたのですか?」
「ああ、処刑までは手伝うよ。で、お前は何してんだ?」
「はいっ!稲の様子を見に行こうとしていたんですよ!」
「稲っ!!もう水田ができたのか!?」
「はいっ!!第一騎士団は『農業』に適した加護を持つ者が多いようで」
ユーステスの目線が彼の背後を向く。
俺もそちらに目をやると、今、田植えを行っている最中だったのだ。
「俺もする!!したことないんだよ、俺!!」
「は?団長がですか!?」
「おうっ!!!」
こちらに来たのは団長という地位ではなく、『休日を有効に使う暇人』としてで、簡易で動きやすく、汚れてもよい服を着ていたので、袖や裾を捲り、水田に飛び込む。
「団長っ!!」
ユーステスが慌てているが、そんなことどうでもいい!
よく見ると、焔の女性の他に、ナルミア様の女性騎士が混じっている。
その女性たちの加護は、
「うん、君たち田植えを手伝うことで精霊が大変『喜んでいるよ』。君たちの力も第一騎士団と同じ自然に適した能力なのかもしれないね」
騎士たちは慌てて俺に敬礼を取るが、それを止めさせ、彼女たちが植えた稲の様子を見る。
「うん、君は貴重な『加護』だね。『緑を癒す』能力だ。この稲は「くた~~」ってなってなかったかい?君が優しく触ることで元気を取り戻したんだ」
その稲を俺が触ると、精霊たちが『も~~~触っちゃ駄目!』と怒られてしまったくらい元気になっているのだ。
「そこの君はユーステスの『活性』を『穏やかに循環させる』特殊加護だね。君たち二人は支援系だ。この田植えで加護の力は強まるようだよ」
「「はっ!!!ありがとうございます!!」」
という風に声を掛けてあげていると、他の騎士からも意見を求められ、改善点を伝えていった。だがっ!素晴らしいことに、ナルミア王女の騎士たちには、まじで余り改善点が見受けられなかった。何故か?と考えてみたら、『バーミリア』『ホルシオ』、そして『焔』の孤児の世話をしているからだということが、わかったのだ。
気にせず、自然に加護を使用して子供たちを癒していたのだ、彼女たちは。
全く女性には頭が上がらない。
俺では到底出来ないことを、自然にやってのける彼女たちを心から尊敬をする。
それを素直に伝えると、何故か
「今度、お食事行きましょう!」
とか、
「食堂でご一緒しても良いですか?」
とか。
お誘いの言葉を沢山戴きました。
もちろん俺は『男』ですから、満面の笑みで了承致しました!
殿下たち『男の俺』も愛してくださいね!
転移用魔法石のおかげで一瞬だった。
焔と帝都を結ぶルートは、王族が許可すれば誰でも通ることが出来るようになっており、物資など容易に運ぶことが出来る。
ただ、これは通常の魔法石とは異なるため、かなり、否、まじで超高価な宝石だそうだ。
例えば、ジオルド殿下の個人資産を全て擲ってでも購入できないほどの代物なのだそうだ。
こわっ!!
畑に行くと、日本の調味料の原料としては欠かせない「大豆」がすでに収穫できるとのことで、俺も手伝うことに。
レインは収穫より、味噌や醤油にするための下処理の方に興味を持ち、女性たちの手伝いをしている。
「おっ!ユーステス!」
「スイ団長!!こちらに戻られたのですか?」
「ああ、処刑までは手伝うよ。で、お前は何してんだ?」
「はいっ!稲の様子を見に行こうとしていたんですよ!」
「稲っ!!もう水田ができたのか!?」
「はいっ!!第一騎士団は『農業』に適した加護を持つ者が多いようで」
ユーステスの目線が彼の背後を向く。
俺もそちらに目をやると、今、田植えを行っている最中だったのだ。
「俺もする!!したことないんだよ、俺!!」
「は?団長がですか!?」
「おうっ!!!」
こちらに来たのは団長という地位ではなく、『休日を有効に使う暇人』としてで、簡易で動きやすく、汚れてもよい服を着ていたので、袖や裾を捲り、水田に飛び込む。
「団長っ!!」
ユーステスが慌てているが、そんなことどうでもいい!
よく見ると、焔の女性の他に、ナルミア様の女性騎士が混じっている。
その女性たちの加護は、
「うん、君たち田植えを手伝うことで精霊が大変『喜んでいるよ』。君たちの力も第一騎士団と同じ自然に適した能力なのかもしれないね」
騎士たちは慌てて俺に敬礼を取るが、それを止めさせ、彼女たちが植えた稲の様子を見る。
「うん、君は貴重な『加護』だね。『緑を癒す』能力だ。この稲は「くた~~」ってなってなかったかい?君が優しく触ることで元気を取り戻したんだ」
その稲を俺が触ると、精霊たちが『も~~~触っちゃ駄目!』と怒られてしまったくらい元気になっているのだ。
「そこの君はユーステスの『活性』を『穏やかに循環させる』特殊加護だね。君たち二人は支援系だ。この田植えで加護の力は強まるようだよ」
「「はっ!!!ありがとうございます!!」」
という風に声を掛けてあげていると、他の騎士からも意見を求められ、改善点を伝えていった。だがっ!素晴らしいことに、ナルミア王女の騎士たちには、まじで余り改善点が見受けられなかった。何故か?と考えてみたら、『バーミリア』『ホルシオ』、そして『焔』の孤児の世話をしているからだということが、わかったのだ。
気にせず、自然に加護を使用して子供たちを癒していたのだ、彼女たちは。
全く女性には頭が上がらない。
俺では到底出来ないことを、自然にやってのける彼女たちを心から尊敬をする。
それを素直に伝えると、何故か
「今度、お食事行きましょう!」
とか、
「食堂でご一緒しても良いですか?」
とか。
お誘いの言葉を沢山戴きました。
もちろん俺は『男』ですから、満面の笑みで了承致しました!
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