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第二章

15.報告

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で、皆がスイートに集まったのは夕方に差し迫る頃だった。
まだ、2組の為に予約していたレストランの時刻まで余裕があるため、報告会と相成った。が、俺は夕飯の支度をしながら。
アクアパッツァ、アヒージョにパエリア、ボンゴレにモッツァレラチーズたっぷりの彩りサラダ。魚介類ばかりなので、鶏肉の香草焼きとローストビーフ。アヒージョにディップするフランスパンもどき。さすがにここでパンは焼けないので、これは買ってきてもらった。あとは、コンソメのスープ。デザートはなし!そこまで作る時間はないっ!!!
「あ、カルパッチョ忘れてた!!」
「まだ作るのかい?」
「ん?もう終わる~~~。ごめん話続けて~~~」
「その前に、団長~私たちの分少し残しておいてくださいよ。食べてみたいです、魚介類料理」
「ん?大丈夫。レインはそう言うだろうと思って多めに作ったから」
「さすが団長です!!!で、話を戻しますが、結局ならず者たちは『ホルシオで祭りが開催される』と聞き、富裕層が訪れていると思い、強盗になったそうです」
「兄様とは別に聞いたのが、『この街の税金に搾取され続け、困窮してしまった』とのことです」
『この街』というフレーズが気になる。
「ええ、団長が思っておられるとおりです。彼らは『この街』の者ではないそうです」
「???では、何故税金を支払う必要がある?」
「ジオルド、もう一度明日領主に聞きに行った方がいいかもな」
「だよな。アルバート、明日もう一度付き合え」
「もちろんですよ、ただ俺たちだと見抜けない点があるかもしれないので、ここはレインを連れて行きましょう。レイより人の裏を見る目はありますから」
「アル、それって私がレイより心が汚れているってこと?」
「あ、いや、そうではなくてだな・・・・・・・」
慌てふためくアルバートが面白い。
「わかっているって。レイは人を疑うことに長けていないから、この中で団長の次に私が適任でしょうし」
「わかってくれて嬉しい」
いや、レインある意味で俺もディスられてるからね、君に。とは、言わないでおこう。
面倒だから。
「『孤児』の件だが、ホルシオの子ではないらしい」
「だろうと思った」
「え、スイ?」
大体予想はしていたのだ。
「俺の想像では、嘗て栄えたこのホルシオに子供を捨てていったんだろう。ここなら誰かしらが食事を恵んでくれるだろうと踏んで。しかし、3年ほど前からの『瘴気』で民はそれどころではなくなり、孤児たちは生きるために盗みなどをして必死に暮らしていたんじゃないのか?それをよく思わない領民は領主に泣きついた、と」
「ああ、それで合っている。前領主が教会に掛け合ったところ『孤児が一杯でもう無理だ』と言って、引き取って貰えなかったらしい」
「だがな、そこで教会の話を鵜呑みにしてしまったら駄目だろう。駄目なら王に書状でも書けばいい話だ」
「ああ、全くだ。それさえしていないのだろう。とりあえず、あの司祭は身分を剥奪し、過酷な労働に就かせることになるだろう」
「な~俺、前領主って本当に仕事してたのか疑問なんだけど?」
「それは戻り次第調べよう。あとは孤児たちの言葉と照らし合わせないとな」
俺たちの話はあまり身が無かった。というのも、ホテルとしては「ならず者」は時々来るらしい。ただ、今回みたいな大人数はないそうだ。
「じゃ、もう予約時間が近づいているから、行ってこい。俺たちの晩飯ももうできるし」
と、いうことで今日はここで解散。
今日はもしかしたら、もう逢えないかもしれないから

「楽しい一時を。おやすみ」
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