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第二章
7.ガブリッ
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「ということで、お仕置きの前に、何があったか話して貰うよ、団長たち?」
ジオルドとジルフォードの凄みようが凄い。
ごめん、俺の男の子としての性が出たこと謝ります。
一応瘴気を浴びたと言うことで、簡単に風呂を済ませて、スイートのリビングに集まった。
風呂に交代で入っている間に、注文をしていた料理が運ばれてきていたため、それを口にしながら、今日の結果報告を聞く。
「多くのゴミが海に流れ着いているが、誰も掃除をしないことで『瘴気』が発生したことが一つ。大人は俺が掃除していても見ているだけで、孤児たちが手伝ってくれた」
「祭りは3年ほど海に関する物だけでなく、全てが行われていないこと」
「領主の館は一見贅沢に見えるが、違和感が拭えないこと」
各自集めた情報を元に、どうすることが良いのか相談をする。
「ん?んん?うんうん・・・あ、そういうことっ!」
「スイ、誰と話しているんだ?」
「あっ!」
俺がシャンパンを嗜んでいると、精霊が俺の肩に止まって、
『あのね~~~』と話しかけてきたのだ。
「俺は、見えるぞ・・・・・・・・」
「「「「「「えっ??????」」」」」」
ジルフォードが俺の肩を凝視する。
『だって、彼は・・・・・・』
「あ~~~そういうことね」
精霊が俺の耳にコソコソと語りかけてくれる。
そして、徐に立ち上がると、
「ジル、ちょっと痛いけど我慢な?」
ジルの首元を大きく開けて、
ガブリッ!
「つっ!!!!!」
噛み場所から滲む血を舐め取って、ジオルドに深く口づける。
「んっ!うむぅっ!」
ジルの血と共に俺の唾液を流し込む。
小さくコクリと喉を鳴らすのを聞いて、漸く口を離す。
「は、は、は、これで、殿下たちは精霊を見ることも声を聞くこともできるはず」
口を繋いでいた銀糸を拭い、殿下たちを見ると、呆然としていて、俺を全く見ていない。
「え、あ、おいっ!」
「スイ、やり過ぎだ」
「団長・・・・・・・私たちの目の前では止めてください。触発されて獣になるのが若干2名いますのでっ!」
キッ!とレインがエリアスとアルを睨む。
どうしてかと思うと、二人の手はアシュレイ兄弟の太ももを彷徨っているではないか。
「あ、ごめんなさい。じゃなくてっ!ほら、殿下たちは見えるし、声を聞けるようになったでしょ、精霊のっ!」
「「はっ!!」」
漸くこっちの世界に戻ってきてくれた。
その姿に精霊たちはクスクスと愛らしく笑い合っている。
「あ、声も聞こえる!」
「私は姿も声も聞こえるようになった!何故だスイ?」
興奮しきっているジオルドを宥めて、
「元々ジルフォード殿下はこの中で最も精霊に愛された子で、常に精霊に護られている状態なんだ。だから、時期がくれば見ることは出来るだろうと思っていたんだけど、俺と・・・その、うん、深く交わる事で俺の力を取り込み、見ることができるようになったんだ。だけど、声を聞けない。精霊に聞いたところ、声を聞くためには俺の体液を身体に取り込む必要があるらしい。なので、噛んで唾液を流すことで声を聞けるようになった。ジオルドはその二人の血液と唾液を貰うんだ。一気に見えて、声も聞こえるようになるのは当然だろう?」
自分で言っていて、ちょっと恥ずかしい。
『唾液を流す』なんてっ!
あああ、何かエロイよぉぉぉぉっ!
「・・・・・そうか、つまり俺とジオルドにはこの行為が有効だが、交わっていないレインたちには効かないということか?」
「いや、それも違う。俺と相性がいいのが『光と闇』の力。だから、その他の力を持つ人と交わろうが、この効果は発揮しない」
そもそも俺と相性が良い人間なんてそうそういない。
こちらの世界に来て、『存在した』事の方が驚きなんだから。
「ん?あ、ごめんごめん。精霊が早く話させろっ!って怒ってる」
「そうみたいだね。ごめんね、話してくれるかい?」
『やっとね!!この街、自然の恩恵に感謝を忘れているのよっ!』
『そうだよぉ~だから、『悪い方向』にいっちゃう』
『そうそう!『靄』なんて感謝を忘れなければ出なかったのにね』
『自然は味方。味方を敵に回すなんてなんと愚か』
『感謝なき事に手助け不要』
『そうだ、そうだ~~~~』
「と、言っております」
「殿下たちの通訳が面白すぎて頭に入ってこなかったのは、私だけでしょうか?」
「いや、お前だけじゃない。俺たちもだ」
「レイン、エリアス、もう一度言おうか?」
「「いえ、充分です!!」」
アルバートは、「余計な事言うからだ」と二人を諫めるが、隣のレイは「私ももう少しで口に出そうでした」と。
「それだけ、殿下たちの役が上手かったと言うことだな」
と、アルバートが綺麗に纏めてくださいました。
「結論から言うと、領主に伝えるのは大きく二つ。一つは『清掃』。二つ目は『祭事』だな」
「ええ、そうですね。細かな点などは領主にお尋ねしないとわからない部分もあるでしょうし。現在言えることはその二点だけですね」
「だな。じゃ、明日行くのは、殿下たちとエリアス、アルバートだな」
俺は立ち上がり、さっさとバスルームに向かおうとするのだが、
「何でですか?スイ団長が行かれる方がスムーズに話が進みませんか?」
と、レインはさも当然の様に言ってのけるが、
「あのな~レイン。あんまり言いたくないが、これから俺は殿下たちからの『お仕置き』が待ってんだよ。起きれるわけないだろう?というか、何てこと言わせるんだよ、お前は・・・・・・・」
「あ、あっ!すみません!!ごゆっくりっ!!!」
「・・・・・ソレもなんか嫌だ・・・」
その後は、解散となったが、リビングではまだゆっくりまったりと団欒が続けられているようだ。
だが、俺には関係ない!
だって、俺から遅れること30分ほどして殿下たちが寝室に戻ってきたからだ。
ジオルドとジルフォードの凄みようが凄い。
ごめん、俺の男の子としての性が出たこと謝ります。
一応瘴気を浴びたと言うことで、簡単に風呂を済ませて、スイートのリビングに集まった。
風呂に交代で入っている間に、注文をしていた料理が運ばれてきていたため、それを口にしながら、今日の結果報告を聞く。
「多くのゴミが海に流れ着いているが、誰も掃除をしないことで『瘴気』が発生したことが一つ。大人は俺が掃除していても見ているだけで、孤児たちが手伝ってくれた」
「祭りは3年ほど海に関する物だけでなく、全てが行われていないこと」
「領主の館は一見贅沢に見えるが、違和感が拭えないこと」
各自集めた情報を元に、どうすることが良いのか相談をする。
「ん?んん?うんうん・・・あ、そういうことっ!」
「スイ、誰と話しているんだ?」
「あっ!」
俺がシャンパンを嗜んでいると、精霊が俺の肩に止まって、
『あのね~~~』と話しかけてきたのだ。
「俺は、見えるぞ・・・・・・・・」
「「「「「「えっ??????」」」」」」
ジルフォードが俺の肩を凝視する。
『だって、彼は・・・・・・』
「あ~~~そういうことね」
精霊が俺の耳にコソコソと語りかけてくれる。
そして、徐に立ち上がると、
「ジル、ちょっと痛いけど我慢な?」
ジルの首元を大きく開けて、
ガブリッ!
「つっ!!!!!」
噛み場所から滲む血を舐め取って、ジオルドに深く口づける。
「んっ!うむぅっ!」
ジルの血と共に俺の唾液を流し込む。
小さくコクリと喉を鳴らすのを聞いて、漸く口を離す。
「は、は、は、これで、殿下たちは精霊を見ることも声を聞くこともできるはず」
口を繋いでいた銀糸を拭い、殿下たちを見ると、呆然としていて、俺を全く見ていない。
「え、あ、おいっ!」
「スイ、やり過ぎだ」
「団長・・・・・・・私たちの目の前では止めてください。触発されて獣になるのが若干2名いますのでっ!」
キッ!とレインがエリアスとアルを睨む。
どうしてかと思うと、二人の手はアシュレイ兄弟の太ももを彷徨っているではないか。
「あ、ごめんなさい。じゃなくてっ!ほら、殿下たちは見えるし、声を聞けるようになったでしょ、精霊のっ!」
「「はっ!!」」
漸くこっちの世界に戻ってきてくれた。
その姿に精霊たちはクスクスと愛らしく笑い合っている。
「あ、声も聞こえる!」
「私は姿も声も聞こえるようになった!何故だスイ?」
興奮しきっているジオルドを宥めて、
「元々ジルフォード殿下はこの中で最も精霊に愛された子で、常に精霊に護られている状態なんだ。だから、時期がくれば見ることは出来るだろうと思っていたんだけど、俺と・・・その、うん、深く交わる事で俺の力を取り込み、見ることができるようになったんだ。だけど、声を聞けない。精霊に聞いたところ、声を聞くためには俺の体液を身体に取り込む必要があるらしい。なので、噛んで唾液を流すことで声を聞けるようになった。ジオルドはその二人の血液と唾液を貰うんだ。一気に見えて、声も聞こえるようになるのは当然だろう?」
自分で言っていて、ちょっと恥ずかしい。
『唾液を流す』なんてっ!
あああ、何かエロイよぉぉぉぉっ!
「・・・・・そうか、つまり俺とジオルドにはこの行為が有効だが、交わっていないレインたちには効かないということか?」
「いや、それも違う。俺と相性がいいのが『光と闇』の力。だから、その他の力を持つ人と交わろうが、この効果は発揮しない」
そもそも俺と相性が良い人間なんてそうそういない。
こちらの世界に来て、『存在した』事の方が驚きなんだから。
「ん?あ、ごめんごめん。精霊が早く話させろっ!って怒ってる」
「そうみたいだね。ごめんね、話してくれるかい?」
『やっとね!!この街、自然の恩恵に感謝を忘れているのよっ!』
『そうだよぉ~だから、『悪い方向』にいっちゃう』
『そうそう!『靄』なんて感謝を忘れなければ出なかったのにね』
『自然は味方。味方を敵に回すなんてなんと愚か』
『感謝なき事に手助け不要』
『そうだ、そうだ~~~~』
「と、言っております」
「殿下たちの通訳が面白すぎて頭に入ってこなかったのは、私だけでしょうか?」
「いや、お前だけじゃない。俺たちもだ」
「レイン、エリアス、もう一度言おうか?」
「「いえ、充分です!!」」
アルバートは、「余計な事言うからだ」と二人を諫めるが、隣のレイは「私ももう少しで口に出そうでした」と。
「それだけ、殿下たちの役が上手かったと言うことだな」
と、アルバートが綺麗に纏めてくださいました。
「結論から言うと、領主に伝えるのは大きく二つ。一つは『清掃』。二つ目は『祭事』だな」
「ええ、そうですね。細かな点などは領主にお尋ねしないとわからない部分もあるでしょうし。現在言えることはその二点だけですね」
「だな。じゃ、明日行くのは、殿下たちとエリアス、アルバートだな」
俺は立ち上がり、さっさとバスルームに向かおうとするのだが、
「何でですか?スイ団長が行かれる方がスムーズに話が進みませんか?」
と、レインはさも当然の様に言ってのけるが、
「あのな~レイン。あんまり言いたくないが、これから俺は殿下たちからの『お仕置き』が待ってんだよ。起きれるわけないだろう?というか、何てこと言わせるんだよ、お前は・・・・・・・」
「あ、あっ!すみません!!ごゆっくりっ!!!」
「・・・・・ソレもなんか嫌だ・・・」
その後は、解散となったが、リビングではまだゆっくりまったりと団欒が続けられているようだ。
だが、俺には関係ない!
だって、俺から遅れること30分ほどして殿下たちが寝室に戻ってきたからだ。
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